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Stories

Vol.78 高1 Mさん

-インタビューを通して和洋生の成長をお伝えするStories。今回は第78回となります。今回は高1のMさんからお話を聞いていこうと思います。よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

-では、早速インタビューに入っていきましょう。Mさんは小さい頃どんな子でしたか?

今よりもっともっとすごく元気で活発な子でした。その当時、プリキュアやアイカツがすごく好きで、そのオープニングやエンディングでダンスを踊るんですけどそれを覚えてソファの上でずっと踊っていて、それを母が動画で撮っていました。

-幼い時の元気さがわかるエピソードですね。Mさんは今ダンス部ですから、その頃から今の好きに繋がっているんですね。ダンス以外ではどんなことが好きでしたか?

人と喋るのが好きでした。塾の先生とも勉強以上にたくさん話をしていました(笑)。

-なるほど。習い事は何かしていましたか?

塾以外だとピアノとダンスをやっていました。

-ダンスは習いごととしてもしていたんですね。

そうです。小1から小3まではヒップホップを習っていて、その後は小6までチアダンスを習っていました。

-結構本格的に習っていたんですか?

そうですね。ただ、私は大会に出るために習っていたというわけではなくて、披露の場は野球やラグビーの試合が行われる前にグラウンドに出ていって、キッズのチアダンスを踊るというものでした。

-小さい頃から体を動かして誰かに見せるというのが好きだったので、その延長線上に習いごとがあったという感じですかね。
-こんな大きい場所で披露した!というものはありますか?

チアダンスを習っていて、最初に披露したのが東京ドームでした。大きな野球の試合がある前に私が通っていたダンススクールの系列が100人以上集まって披露するという機会があって、それが最初で最大の見せ場でした。大きなスクリーンに自分たちの姿が映って、「いえ~い!」ってポーズをしたのを覚えています。

-それはなかなかできない経験ですね。
-幼い頃に習ったダンスというのが今の部活動に生かせているという部分はあるんですか?

すごく生きていると思います。普通のダンス部だと一つのジャンルだけを踊っていくんですけど、和洋のダンス部はチアもヒップホップも踊るし、バレエやジャズなど本当に色々な種類のダンスを踊るんです。それぞれ体の使い方も表現の仕方も違うので、習っていたことを生かせています。

-具体的にはどんな感じですか?

例えば、ヒップホップだと力強い感じを出しながら踊りますし、チアは手先を意識したり体の柔らかさを大事にします。ジャンルによって自分の体の使い方を分けますし、表情も変わってきます。そういう意味でも対極にある二つのダンスを習っていてよかったなと思っています。

-Mさんが好きなのはどのジャンルなんですか?

一番好きなのはやっぱりチアダンスかなと思います。まず、踊っている時に笑顔なんですね。踊っていてただただ本当に楽しいです。チアダンスは、ダンスの中でも唯一、応援するためにできたダンスなので、野球でもラグビーでも「頑張れ!」とエールを送るという思いが込められているのが素敵だなと思っています。

-なるほど、いい着眼点ですね。
-他にはありますか?

他のダンスもそうですけど、一体感というか皆と一緒に一つの作品を作り上げるまでの過程はすごく難しい時があって、足を上げる高さも疲れてくると乱れてくるし、ダンスの後半には表情が真顔になってきて怖くなってきがちですけど、そういう時もずっと笑顔でいないといけないのはかなり辛いです。そんな中でも皆で頑張っていくという過程が私はすごく好きです。
自分はダンスが好きなので、踊りに対しても自分が全然できてないところをどんどん研究しています。肩の角度がちょっと違うとか足がもっと開くとか…。そういうふうに一つのことにのめり込むのが好きでした。

-こうするといいかな?という工夫を自分でしてる感じがよいですね。好きなものだからこそ徹底的にできて継続もしているのでしょう。「好きこそものの上手なれ」という言葉をまさに体現していますね。
-工夫をしたという点で何か他にエピソードはありますか?

小5と小6の時に生活委員として活動していたんですけど、廊下を走る人をどうすれば少なくできるかというのを考えて、色々と工夫しました。
休み時間ごとに廊下に出て「廊下を走らないようにしましょう」という看板を作って掲げたり、腕章をつけて目立つようにしたり…。走っていた人の数を数えてお昼の放送で発表したりもしました。

-なるほど。色々な方法があるものですね。ありがとうございます。
-では次に、受験のことを話していきましょう。Mさんが中学受験をすることになったのはどのような流れからだったのですか?

私には3歳差の兄がいて、兄も中学受験をしていたので、私もしたという感じです。

-なるほど。和洋九段が選択肢に入ってきたのはどういう流れからですか?

実は和洋九段は全く志望校に入っていなかったんですけど、前半で志望校に合格できなくて、塾の先生に勧められて受験することになりました。女子校にこだわっていたわけではなかったのですけど、私はダンス部がある学校に行きたかったので、和洋にもダンス部があったというのも受けようと思った理由です。

-そうなんですね。ということは、受験の時はかなり緊張しましたか?

そうですね。私は当時算数が本当に苦手で、最初の問題でつまずいてしまって、何度解いても同じ答えにならなかったんです…。

-そうでしたか。そのような中でご縁があって入学したわけですよね。あまり知らない学校に入ってみてどうでしたか?

実はスタートは最悪でした…。小学校の時はメリハリがついていたクラスだったんですけど、入学式の前にクラスに入った瞬間に皆が大きな声で話していて、まずはびっくりしました。授業も騒がしかったし、小学校と中学のギャップに悩みました。私の心の中では「自分が受けた学校はもっと偏差値が高い学校だったんだから自分はもっとできるはずだ!」「苦手な数学も頑張らなきゃいけない!」と思って受験の時以上に勉強をするようになりました。

-中学受験がうまくいかなかったということを反骨精神にしたんですね。
-今は和洋の生活を楽しんでいるようですけど、それが変化していたのって何がきっかけだったんですか?

和洋はクラスをまたいだ交流が多くて、他のクラスの人とも関わるようになった時に、勉強が好きだから頑張っているという子がいるのを知りました。それまで「私は周りとは違う!だから頑張ろう」とか「中学受験に失敗したから頑張ろう」と思ってやってきたんですけど、「そういう子たちと肩を並べて一緒に頑張っていきたい」と思えるようになりました。「本当にすごいな」と尊敬できる存在に出会えて勉強に打ち込むようになりました。

-中1の時のトゲトゲした感じとは全く違いますね。好敵手というか、ライバルというか、自分を高めてくれる存在に出会えたのがきっかけとなったんですね。そのギャップがとても新鮮に感じられます。

あとは、中3では外部で賞を取る子が続出して、それも自分にとってはできていない部分だったので尊敬しています。例えば、中3の時に羽田空港が開催したコンクールで受賞した子たちや、クラブ活動でいくつも賞を取っている子がいるのも、本当にすごいなと感じています。私よりも忙しくて成績も良くて、それに加えて外部でも頑張っているというのは本当に尊敬できることです。自分自身も外部に視野をもっと広げていきたいという思いが強まりました。

-Mさんが周りに刺激を受けて成長していって、視野が広がった分、それまで見えていなかった景色が見えるようになったという感じでしょうか。Mさん自身の気づく力も素晴らしいですし、それによって大きく成長できたのが伝わってきます。

目標が一つ上の段階にいった感じですね。自分も勉強を頑張ってきましたけど、勉強法に関しては、例えばその子が授業中すごいメモを取ってたら私も頑張ってメモを取ろうとしたり、しっかり観察して自分とはこう違うことやってたら試しにやってみて良かったものは取り入れていくのはよくしています。

-なるほど、学習面でもそういう工夫が発揮されているんですね。
-先程、算数が苦手だったというお話がありましたけど、今はサイエンスコースにいますよね?変化がいつ頃どのように生まれたのかはわかりますか?

中1の時に「これからどんどんむずかしくなるだろうな」と思って頑張り始めたというのはありますけど、はじめのうちは本当に数学の授業の時間には結構緊張していました。数学の先生たちの教え方が良かったというのもあると思いますし、とにかく問題をやり込みました。わからない問題はわかるようになるまで何度もやっていました。問題集は何十回も繰り返して解いた跡が残っています。わからない問題は絶対にそのままにしないで先生に質問しに行っていました。
中学受験の時に算数嫌いだった経験を通してみると、やっぱりできるようになる楽しさや喜びを覚えることで、次の問題もやってみようと思える理由になります。
目の前の問題が解けない、点数が壊滅的に悪いからといって蓋をしないで、とにかく時間を費やしていくうちに「私はそんなふうにやればできるんだ」というのを体が覚えていくように感じます。

 

-数学が好きになった今、数学の魅力ってどんなところにあると思いますか?

数学が苦手な側にいたので、そちら側の気持ちもすごくわかるんですけど、最近思うのは数学は答えが確実に出てはっきりしているというのが、解けた時のすっきりした感じというか達成感に繋がると思います。その達成感を覚えた時に、数学のことを好きになり始めたのかなと思います。

-中学受験は自分の不本意な結果になったところがあって、スタートは今振り返ると幼い反骨精神みたいなところからスタートしていたのが、「頑張りたい、頑張る、できた、楽しい!」という形でもっともっと!となっていって、好敵手が現れたり外部で活躍する子がどんどん出てきたりしたことがMさんをより奮い立たせる原動力になって「自分ももっと頑張りたい!」という形になっているように感じます。おもしろいですね。
-中学から入部しているダンス部の話をもう少し聞かせてもらえますか?

ダンス部に入ったのは11人だったんですけど、はじめの頃からみんな本当にすごい熱意で、部室に入ったら友だちというより全員がライバル、みたいなメラメラがすごかったです。当初はなかなかうまく関係が作れなくて、普段の関係性もギクシャクしてしまった時期がありました。
私は中2の時から学年の責任者をさせてもらっているんですけど、はじめは本音も言えず、うまくできていなかったと思います。文化祭の少し前に学年全体で踊るダンスの通しをして顧問の先生に感想をいただいた時に「仕上がってきているとは思うけど、この状態ではまず人前に出させられないし、その中でも中2はヤバいです」と言われてしまったんです。本当にショックだったし関係性もうまくいっていなかったので気まずさもあったんですけど、このままでは何も状況は変わらないと思って練習を撮った動画を何度も見てそれぞれアドバイスをするようにしました。
無事本番を終えた後も部活は続いていきましたけど、初めてちゃんと向き合って本音を言えるようになったのは中3になってからでした。仲が深まるまでに私たちは2年かかったんです。私が人として成長していく過程の中で、ダンス部にいたことはすごく良い経験でした。先輩も本当に尊敬できる方ばかりで、ダンスのスキル的にも人間性も素晴らしいので、 本当にダンス部入ってよかったなと思っています。

-Mさんにとって自分を成長させてくれる場所なのでしょうね。ありがとうございます。
では、高校のことを聞いていきたいと思います。高校でサイエンスコースを選んだのはどういう流れだったんですか?

選択調査をする時に、自分の中で好きだったり得意だったりするのが数学や理科だったというのがあります。サイエンスコースにはすごく賢い人たちが集まるんだろうなと身構えてしまって選択を決めるのも時間がかかってしまったんですけど、実際には皆温かくてわからない問題があった時には皆で解決しようとしますし、理数探究基礎の授業などで何かを考える時にも「そういう考え方があるんだ」と思えることがたくさんありました。中学の時よりも周りを見られるようになって、おもしろいアイデアを聞ける機会も増えておもしろいです。
人が考えていることと自分が考えていることが違うってすごくおもしろいなと思うんです。同じ環境で今勉強しているのに思っていることは全然違うし、そこが楽しいですね。

-自分と違う考えに対して素直に耳をかたむけられるようになったというのも、Mさんの成長を感じられる部分ですね。それまでは気づけなかったものに気づけるようになってそれをおもしろいと感じられるのが自分にとっても大きなプラスとなっているのだと思います。
-今興味がある分野だったり将来的にこんなことを学んでいきたいなというものはありますか?

今、私は心理学に興味があります。
雨穴さんという方の「変な家」「変な絵」という本があるんですけど、文字なのに次のページをめくる手の動きが止まるほど不気味さがあって、張り巡らされた伏線を次々と解決していくのがとても面白い本です。
その中にカウンセラーが出てきてその心理学的な手法がおもしろくて心がひかれました。
私自身もあまり人に自分の考えや思いを言葉に出す方ではなくて、辛くても「助けて欲しい」と頼れずに溜め込んでしまうことが多いですが、心理学は苦しんでいる人が言葉に出すことのできない言葉や感情を理解してあげられると思うので、興味深いです。

-なるほど、確かにそういう部分がありますね。来年は色々と研究できるのでしょうね。そちらも頑張ってください。
-では、最後に後輩と受験生にむけてメッセージをお願いします。

まず、後輩に向けては…
これから色々な場面で選択を迫られることがあります。先生や親に何か言われたり反対されたりしても、自分がどうしたいかが一番大切です。後悔しない道を選ぶのはとても難しいけど、その道を歩いていくのはあなたなので「自分のやりたいようにやってやるぞ!」という思いをもって、辛い時も楽しむことを忘れないでください。応援しています!
受験生に向けては…
他の友達が遊んだりゲームしている中、塾に行ったり家で勉強したりするのはとっても辛いと思います。いざ本番を迎えると、笑えるくらい一瞬なんです。そしてあっという間にみなさんが何年もかけてやってきたことが終わります。その緊張感も疲れも今しか味わうことのできないことです。
受験当日もなかなか肩の力が抜けないと思いますが大丈夫です。今までやってきたことを信じて笑ってみてください。今しか味わうことができないその空間を楽しんでください。もし望んでいた結果と異なる結果だとしても大丈夫です。皆さんにはまだまだ立ち直るチャンスも、襲いかかる困難も、楽しい未来もあります。その結果を自分がどうしていくかで未来も自分も変えることができると失敗ばかりしてきた私が胸を張って言えます。皆さんの努力が良い方向に進むよう和洋九段で全力で!応援しています。自分に誇りを持って、胸を張って受験に臨んでくださいね。

-6年生はあと1ヶ月で本番を迎えますね。受験生の心に響く力強いメッセージだと思います。Mさんも自らの将来を切り拓いていくために、これからも輝いていってください。ありがとうございました!

【X先生からMさんについてのコメント】
穏やかで明るく、リーダーシップがあり、自分の見たことや聞いたことを大切にして糧にすることができる生徒です。
表現力も豊かで、いつも全力でパワフルなダンスを見せてくれています。教える際にはやる気をそがないよう上手にリードすることができ、先輩だけでなく同輩、後輩からの信頼も厚いです。今後の更なる成長が楽しみです。

Vol.77 高2 Rさん