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Stories

Vol.7 高2 Aさん

-生徒の成長をインタビュー形式でお伝えするStories 第7回になります。今回は高2のAさんです。よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

-今回は小学校時代に行っていた習い事から聞いてみたいと思うのですが、何か習っていましたか?

私は水泳とピアノを習っていました。

-何か思い出はありますか?

ピアノは幼稚園の頃楽しめていたんですけど、小学校になると難易度が上がって、ノルマも多くなって面倒くさくなっていきました。友だちと遊びたくてそちらを優先して練習をしないこともあって…。毎年発表会に出ていたんですけど目立つのがとても嫌でした…。静かな中で自分の弾くピアノに全員が集中している。そんな雰囲気がすごく苦手で。でも、自分の好きな曲を好きなタイミングで弾くのは好きでした。

-一番好きな曲は何ですか?

「エリーゼのために」が好きでした。少し暗い感じで始まるんですけど、途中で明るくなってその変化というかギャップがとてもよいと感じています。元々明るい曲が好きなんです。

-はじめ暗くて悲しげに始まる分、明るさが際立つんでしょうね。

私はピアノの練習の仕方がわかりかけた頃にやめてしまったので少し残念だったと感じています。

-学校ではどんなことをして過ごしていたんですか?

小5、小6全体でマーチングバンドを行っていました。私の住んでいる地区は全ての小学校で行われていて、年に1回ある音楽祭で発表したり、運動会で披露したりしていました。

-そういう地区があるんですね。どんな思い出がありますか?

小4の最後に楽器決めを行うために全部の楽器を体験させてもらってとても楽しかったのを覚えています。私はユーフォニアムを担当していたんですけど、週何回かある朝練の日に音楽室に一番乗りして、誰もいない中で練習したのが良い思い出です。

-すごく打ち込んでいたんですね。和洋に入ってからも管弦楽部に入って熱心に取り組んでいますよね。

今、部活動ではテナーサックスを担当しているんですけど、パートごとに練習しているということもあって先輩、後輩とも仲良く過ごせています。私はサックスグループの後輩と一緒に活動していますが、後輩はとてもまじめでいい子です。あと、コーチも教えてくださるのでとても充実しています。
コロナで練習が制限されている時期が長かったので、最近は基礎練習を重点的に行っています。でも夏にはコンクールに出るので、家に帰ってからも譜読みなどをして時間を有効活用しています。

-部活動では最高学年になりましたけど、どんな貢献をしていきたいですか?

私は会計の仕事を担当させてもらっているのですが、まだ慣れないことが多くて大変だなと思うことがよくあります。でも、これが部の役に立っていると思うと頑張ろうという気持ちになれます。また、部活全体をまとめてくれている部長をしっかりサポートしていきたいな、と考えています。

-クラブ活動は学校生活の中で重要な位置づけになっている人が多いですよね。後輩との関係も良好なようですし、責任感を持って活動しているのが伝わってきます。
-では、小学校の話に戻りましょう。他の学校生活はどうでしたか?

授業はまじめに聞いていて、ちゃんと手を挙げて、家では宿題をしてから外に遊びに行く、という生活を送っていました。今考えると「まじめ」で「いい子」だったな、と思います。その頃の自分にもし声をかけるとしたら「もうちょっと楽しみなよ」と言ってあげたいです(笑)

-そうなんですね。小学生時代を真面目に過ごしていたAさんが中学受験を志したのはなぜですか?

姉も中学受験をしていたということもありますし、公立だと高校受験があって、大学受験があって…、と受験に追われる感じがしたということもあります。今考えると、高校受験がない分、中学の時に高校の範囲を先取りできるのもよかったなと思います。

-今までの人も高校受験がないということを理由に挙げている方が多かったですね。和洋九段を受験しようと思った理由はやはりお姉さんの影響ですか?

そうです。3つ違いの姉が和洋九段に通っていたので、私は小3から姉と一緒に見学に来ていました。姉が入学してからもよく来ましたが、文化祭が特に楽しかったです。姉が水泳部だったこともあって文化祭のシンクロはよく見に行っていました。姉が演技してポーズを取ったり踊ったりしているのが印象的でした。

-姉妹揃って和洋生という人もたくさんいますよね。在学しているだけでも何組もいます。受験は何教科で受けたんですか?

私は2教科で受験しました。和洋九段一本で、落ちたら公立に行くつもりでした。

-そこまで思ってくださってありがとうございます!受験に向けた取り組みや受験当日のことは覚えていますか?

う~ん。受験生対象のイベントも色々と受けたんですけど具体的にはあまり覚えていなくて…。受験当日は2月1日の午前と午後を両方受けて、午後の入試が終わった時に親と一緒に午前の結果を見に行きました。
はじめ自分の番号が見つからなくて、「次頑張ろうね」と言って帰ろうとしたんですけど、最後にもう一度見てみたら自分の番号があって「あ、受かってた!」となりました。あまり大きな声を出すようなことがなかったんですけど、他人の視線が気になって喜べなかったのかもしれません。

-そうなんですね。ピアノの発表会のこととも重なりますね。他人から注目されるのが苦手だったのでしょうか。
-では、和洋に入学してからのことを伺いたいと思います。入学式のことは覚えていますか?

はい、周りは知らない人ばかりのはずなんですけど、前の席の人とずっとおしゃべりしていました。ただ、隣の人は顔立ちが外国風だったので勇気が出ずに話しかけることができなかったんです。でも次の日にあちらから話しかけてきてくれて、とても仲良くなりました。やはり外見で判断するのではなく、勇気を持って関わろうとする姿勢が大切なんだな、と感じました。

-そうですね。これからどんどん関わりが広くなっていくでしょうから、垣根なく過ごせるのが良いと思いますよ。
-中学時代のことで思い出に残っていることはありますか?

中2のグローバル遠足と中3のシンガポール修学旅行が心に残っています。
中2のグローバル遠足では訪問先を自分たちで決め、自分たちで電話をかけてアポイントを取ります。それが本当に大変でした。最終的に私たちは飢餓のない世界をつくるために活動しているNGO(非政府組織)である「Hunger Free World」を訪問させていただきました。そこの皆さんは大半がボランティアで活動されていて、とても刺激を受けました。インタビューした内容を何度も読み返しながら皆で協力してまとめ、講堂で発表しました。

-講堂でたくさんの人が見ている中で発表するのは緊張するでしょうけど、自分を成長させてくれるチャンスですよね。
-シンガポールの修学旅行はいかがでしたか?

私は飛行機に乗るのも外国に行くのも初めてで、中でも荷物検査や入国審査がすごく緊張しました。
あちらではB&Gプログラムでシンガポール大学の学生さんと一緒に市内を回ったのが心に残っています。観覧車で市内を眺めた時、海外が初めてだったということもあって今目の前に見えている景色。日本じゃない世界がここにあるんだなぁと感じたのを覚えています。

-シンガポールと日本との違いで心に残っていることはありますか?

電車で椅子がプラスチック製だったこととか、意外に車内が広かったということが驚きでした。あと、B&Gでスタバに入ったんですけど、日本語で挨拶されたのも驚きでした。注文した時に名前を聞かれて「何でだろう?」と思っていたら、受け取った商品には自分の名前が書かれていました。後で調べてみたら外国ではそれがスタンダードみたいです。日本ではそういうことがないので、本当に驚きの連続でした。

-他に印象に残っていることはありますか?

ガーデン・バイ・ザ・ベイという植物園で巨大な植物を見たことです。私たちは昼に行ったので見られなかったんですけど、夜になるとライトアップされるそうです。あと、工事中で見られなかったマーライオンが最後の最後に見られたのが嬉しかったです。

-初めての経験がたくさんあって、とても楽しかったであろうことがうかがえますね。
-ところで、Aさんは中3で急に成績が上がったようですけど、何がきっかけだったんですか?

よく覚えていないんですけど、自分に合った勉強法を見つけたのだと思います。中学一年の頃はテストの重大さを全く理解していなくて、あまり真面目に勉強せず、ただただ音読して終わらせていました。中学2年になって姉が大学について考え始め、少しずつテストの大切さを理解しましたが、いざ勉強しようとなるとどのようにやればいいのか全くわからず、色々なやり方を試しました。中学3年になってやっと自分に合う勉強方法を見つけることができ、点数を上げることができました。

-なるほど。勉強の大切さをお姉さんの姿から感じ取ったのと、自分に合う勉強方法を探すために色々と試してみたということが良かったのでしょうね。

-皆さんはちょうど中学を卒業して高校に入学する頃に新型コロナの流行が来たわけですが、どうでしたか?

他のみんながどうなのかわからないんですけど、私はZoomでオンライン授業をやっていた時の方が点数が高かったんです。

-え~、そうなんですか?なぜ点数が取れるようになったんだと思いますか?

移動時間がなかった分、暇な時間が増えたので(笑)、遊びにも飽きて勉強し始めた感じです。「暇つぶしとしての勉強」みたいな感じでした。自分のためにもなるし…成績もアップしたのでよかったです。
あと、Zoomで授業をしていた時は祖母の家に行っていたのですが、そこで叔母が勉強のサポートをしてくれたのも大きかったと思います。

-それはよかったですね。高校生になって他に変わったことはありますか?

高校生になるまでは歴史とか外国とかに興味があったわけではなかったのですが、高1の終わり頃に「ヘタリア」というアニメがきっかけで歴史を学ぶことが楽しくなってきました。国を擬人化して歴史が展開していくというストーリーで、それ以来、世界史の授業がとても楽しくなって、フランス革命とか第二次世界大戦とか、授業中に脳内で国を人に変換しながら聞いていました(笑)。楽しく学べたおかげで、高1の最後の世界史のテストは点数が上がりました!

-「楽しい」がきっかけになって実力が向上するというのがすばらしいですね。自主活動でも自分が興味を持っているテーマに取り組んでいると思うのですが、何を扱っているんですか?

私は食品ロスについて扱っています。食品ロスについて取り組もうと思ったきっかけは、「日本の最も問題なのは食品ロスである」という話をテレビで見たことでした。最初は軽い気持ちで始めたんですけど、1年間食品ロスのことを調べてみて、国内で食品ロスのことが全く知られていないことや自分の知らない食品ロスの現状について知り、日本の厳しい状況を学ぶことができました。特に理解度が高い世代は70代以上の高齢者が多く、若い世代での知名度が低いので、若い世代が食品ロスについて理解すれば解決につながると考えています。
高1の時は、コロナであまりアクションを起こすことができず、グループでレシピを考えて「作ってみよう!」となっていたところで3学期に再びオンライン授業になってしまいました。そこで各自で家にある食材で作ってみようということで終わりました。
高2では若い世代に知ってもらい、食品ロスが少しでも解決に向かっていくようしっかりとアクションを起こしていきたいです。

-具体的に伝える方法などは考えているんですか?

私は小学生の頃にCM作りをしたことがあって、伝えたいことを15秒に詰め込んで送る、ということをしていました。CMは若者に対してのメッセージとしてとても有効だと思いますが、聞き流されてしまいがちだとも思います。そこで、私はわかりやすいメッセージに加えて、頭に残りやすくするしかけとして「曲に乗せて送る」ということを考えています。

-小学校でそのような取り組みをしていたんですか。すごいですね。具体的に教えてもらえますか?

4人ぐらいのグループでチョコレートを宣伝するCMを作ったんですけど、短い十五秒間で何をどうやって伝えるかをグループの子たちととても真剣に話し合ったのを覚えています。発表した時は、CMプランナーの方にも来ていただいて、的確なアドバイスもしていただき、発表が終わった後もグループのメンバーで改善点について話し合いました。

-今回、そのアイデアを取り入れようと考えたんですか。それはどのように繋がっていったんですか?

NHKをつけていたらSDGsの歌が流れてきて、そのまま流してたんですけど、その曲がとても頭に残って、永遠にサビの部分が頭の中で繰り返されていました。その時、こんな風に頭に残るものをテレビで放送したら、意識も高まるのではないかと思っていたんです。

-なるほど。そのような経緯があったんですか。Aさんにしかできないかけあわせになっていてとてもおもしろいですね。社会課題と自分の得意としている音楽、そして小学校時代に経験したCM作りをかけあわせていくんですね。「SDGs×音楽×CM」とても楽しみです。すてきな若者へのメッセージができあがることでしょう。

このことはまだグループのメンバーと話し合っていないので、実現できるかわかりませんが、いろんな人の頭に残り、日常生活で食品ロスを意識してもらうことを目標に作成したいと思います。若者には食品ロスがどのような影響を与えているのかをわかってもらい、ことの重大さを理解してもらいたいです。

-社会貢献への意識がとても高まっているのが感じられますね。ぜひ実現に向けて一緒に活動しているメンバーとよい話し合いを続けてください。
-さて、和洋生活5年目を迎えていますが、小学校時代から今までの自分を振り返って、どんなところが成長したと思いますか?

小学校の時に比べると、人前で話すことが苦ではなくなったと思います。小学校の頃は、授業などで手をあげて発言することは平気だったんですけど、1人で何かを発表することは苦手で、頭が真っ白になってしまうことが多かったです。でも、和洋に入ってから発表する機会がかなり増えて、小学校の頃よりも苦手意識が薄れました。

-それは大きな成長ですね。Aさんが社会に出てからも必要な力を蓄えているような気がします。
-さて、インタビューも終わりが近づいてきました。和洋生の後輩に向けてメッセージをお願いします。

何年か前の自分に向けたメッセージみたいになるんですけど…。「友だちの意見に流されやすいと思うけど、自分の意見をしっかり持って、友だちの意見もしっかり受け止めて自分の意見を更によりよいモノにしていく力を身につけて!」と伝えたいです。

-自分一人の考えで凝り固まるのではなく、よりよい考えを生み出していくためのアドバイス、ありがとうございます。
-では、最後に受験生に向けてエールを送ってください!

和洋九段ではSDGsを通して様々なことを学べて、自分でこんなことをしてみたい、ということが見つかると思います。自分の視野を広げることができるので、ぜひ入学してください!
みんな今まじめに勉強していると思うので、たまにはリフレッシュして、自分の体を大切にしてほしいです。

-高2まで和洋生活をしっかり送ってきたAさんだからこそ言えるメッセージですね。これからの成長が更に楽しみになるお話を伺えてよかったです。ありがとうございました!

【X先生からのAさんについてのコメント】
Aさんは素直で友人も多く、とても楽しそうに和洋生活を過ごしています。自己主張が強いわけではないんですけど自分というものをしっかり持っていて、友人の良いところを引き出してくれるような生徒です。勇気を持って今までの自分を変えようとチャレンジしていて、周りにも良い影響を与えています。一見、クールで落ち着いていそうに見えるんですけど明るくて後輩の面倒見もとても良いです。自己評価をもっと高く持って良いと思いますし、周りの友人と一緒にどんどん高め合ってほしいですね。

Vol.8 高1 Aさん
Vol.6 高3 Mさん