Stories
ーStoriesの第5回。今回は中2のMさんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ーさて、今回も最初に和洋に入学する前のことを聞いてみたいと思います。Mさんはどのような小学校生活を送っていましたか?
結構明るく過ごしていて、学校での仲間もたくさんいたと思います。一番印象に残っているのは小4から小6まで小学校のクラブ活動で和太鼓を習ったことです。
ー珍しいですね。なぜ和太鼓を選ぼうと思ったんですか?
やっている人が少ないし特技にできるかな、と思いました。でも、急に「やって!」と言われても和太鼓がないとできないので、そんなことも考えて選びました。発表するからには準備をしっかりしておきたいタイプなので…。急に発表するのは苦手です。
ーなるほど。そういう選択の仕方もあるんですね(笑)和太鼓を習っている中で印象に残っていることはありますか?
地域の方が教えに来てくれていたんですけど、その方がベテランで色々と教えてもらいました。特に「発表会などで間違えた時に表情に出してしまうと見ている人が『あれ?何かあったのかな?』と思ってしまうので、表情に出さずに堂々としていなさい」と言われたのを覚えています。
ー確かに表情に出ると間違いがわかってしまいますね。これから先にも活かせそうなお話ですね。
ー中学受験をしようと思ったのはどのようなきっかけがあったんですか?
私の小学校では8割くらいの人が中学受験をしたんですけど、話の内容のレベルが高くて、そのような中で受験を決めた、ということがあったと思います。あと、姉が中学受験をしていたというのも理由の一つです。
ーMさんは何科目で受験したんですか?
私は社会が好きだったので、和洋の入試は社会1教科で受験しました。
ーそうなんですね。社会が好きになったのは何がきっかけだったんですか?
アイヌ民族についてのアニメを見て「楽しそうだな」と思ったのがきっかけです。アイヌのことを調べていくと文字を持たない中で色々なものが受け継がれていることなどがわかり、民族のことに興味を持ちました。あまりまわりの人が知らないことを知っていることが楽しいです。
アイヌについてインターネットで調べてみたんですけどあまり情報がなくて、深いことはわかりませんでした。だからこれからは、難しいかもしれないけど本を読んでみたいです。
ーなるほど。アニメが始まりで興味が広がっていくのが面白いですね。
ー受験校として和洋九段を選んだのはどのような流れだったんですか?
私は和洋の近くの小学校に通っていたんですけど、先輩たちが皆仲よさそうに登校しているのを見て、「楽しそうでいいな」と思ったのがきっかけです。私立は色々なところから通ってくるので、同じような地域から通っている人が一緒に登校しているのかな、と思いながら見ていました。
ー登校風景を見て決めてくれたんですね。それほど先輩の姿がすてきだったんでしょうね。
ー入学する直前に新型コロナの問題が出てきましたよね。入学式前はどんなことを考えていましたか?
4月の頃はあまりコロナに対しての知識もなくて、街中ではマスクをしていない人もいたと思います。コロナだし、どうなるのかな。友だちがいつできるのかな、という不安がありました。だから今の中1は4月から友だちと会えてうらやましいな、と思います。
ーそうですね。当時は色々と混乱していましたからね。
ー4月7日に教科書とタブレットだけ受け取る日がありましたね。その日は登校したんですか?
はい、新しい制服を着ている人がたくさんいて、みんな緊張しているのがよくわかりました。私は通学路が小学校の頃と変わらなかったのであまり緊張しませんでした。
ーその後、すぐにオンライン中心の生活になりましたけど、どのような生活でしたか?
はじめはZoomの操作に慣れていなかったので、音が届いているか、名前はどう変えるの?などたくさんわからないことがありましたけど、ホームルームの時間にみんなで色々とやっていくうちにできるようになって、新鮮でしたし楽しかったです。
ーそうなんですね。オンライン授業はどうでしたか?
ビデオオンで授業に出る人がほとんどだったので、「今これを書いてるんだろうな」と、一緒にやっている感じがしました。たまに目が死んでいる人もいて…。そういうのも見ていて「疲れているんだろうな」というのが画面越しにも伝わってきました(笑)
ー授業で心に残っていることはありますか?
国語も数学もパワポで先生が資料を作っていて、テンポよく進んでいったのがよかったです。ホームルームもすごく楽しくて、例えば「家の中にある緑色のものを2分以内で持ってきて!」みたいな題が出て皆がそれぞれ家中を探し回る、というのもありました。
ーオンライン上でも楽しく過ごせるように、先生方が考えてくださったんでしょうね。他にはありますか?
ブレイクアウトルームに2~3人で分かれて通っている路線を聞いたりしながら友だち作りできるような機会を設けてくれたのがとてもうれしかったです。
ーそうなんですね。それはいつ頃のことなんですか?
オンラインで授業が行われている間のホームルームで行っていたので、4月から5月くらいです。そういう時間があったのでたくさんの人と話ができました。ホームルームで行いたいことの案を提案する機会もあって、私は小学校でお楽しみ会係をしていたので案がたくさんあってどんどん提案しました。残念ながら私の案は採用されませんでした…(笑)
ー採用されなくても積極的に提案することがとても大切ですよね。その姿勢をいつまでも持っていてくださいね。
ーでは、学校に通えるようになった頃の話を伺いたいと思います。学校に来られることになって、どのようなことを考えましたか?
あぁ、Zoomで会っていた人にやっと会えるんだな、という感じでした。Zoomの時も仲良しになっていたんですけど、実際に会うのがとても楽しみでした。講堂の自分の座席に座って後ろを振り返った時に「あ~、知っている人がいっぱいいる!」とウキウキした気分になりました。謎に「感動の再会」をした気分になりました。
ー初めて会ったのに再会した気分…。なんとも言えないよい表現ですね。その時の喜びが伝わってきますね(笑)
先生のことも初めて生で見て「あんな感じなんだ」と新鮮な気持ちになったのを覚えています。今まで画面の中にいた先生が目の前にいる、みたいな感じでした。
ー6、7月は登校したりオンライン授業をしたりの日々でしたけど、その時の思い出はありますか?
実際に通い始めて、昼休みに友だちとおしゃべりしたり遊んだり、というのがとても楽しかったです。
ー行事の思い出はありますか?
体育祭のダンスに向けて学年全体でダンスの練習をしたのがとても心に残っています。他クラスの人の顔も見られてうれしかったですし、体育館でたくさんのビデオがある中で踊ったのは緊張したんですけど、みんなで一緒に踊れたのでとても楽しかったです。
ー緊張の中でそれを楽しめるのはMさんの前向きさが表れていますね。すばらしいと思います。
そういえば、行事はほとんど中止になってしまいましたけど、定期テストはありました!
ーそうでしたね。テストについてはどうでしたか。小学校時代とは違いましたか?
定期テストは初めてだったし、オンラインで全部を質問できるわけではなかったので、できるか不安はありました。どうやって勉強したらいいのかな、と思っていました。
ーそういうのを相談することはできたんですか?
1学期は中間考査が中止になったので、7月の試験に向けて6月以降に学校に来るようになってから相談できるようになりました。
ーそうなんですね。自分の中で「こうやるといい」というものはできあがりましたか?
まだ完璧にはできあがってなくて、色々と試しているところです。
ー自分に合うものを見つけるために色々と試してみるのはとても大切だと思いますよ。そのようなことを繰り返すうちに必ず自分に合うものが見つかるはずです。
計画的に進めることは好きなんですけど、勉強ではなかなかうまくいかなくて…。
ーそうなんですか。授業中に集中して聞くことと、その日のうちに復習することで忘れにくくなって、テスト勉強の時に大変さが減るみたいですよ。ぜひ明日から試してみて、うまくいったか教えてください!
ー文化祭もオンラインになりましたけど、それについての思い出はありますか?
クラスでイタリアについて調べたんですけど、一人一人で調べたことを全部まとめて動画にしました。みんなで分担しながら劇を作ったり、ピサの斜塔を作ったり、千羽鶴で国旗を作ったり「最後の晩さん」のクラス版を描いたりしました。劇では歴史が苦手な3人組がタイムスリップして歴史上の有名な人物に出会って歴史を学んで、現代に戻ってきて歴史が好きになる、最後はテストで点数が取れて「やった~!」という物語でした(笑)
ちなみに私はポスターを3枚作成した後に、他の人たちのお手伝いをしました。
ー自分の分担を早々に終わらせて、サポート役に回ったんですね。すばらしいです。内容もとてもおもしろそうです。皆で分担して協力し合うことで、とても壮大なものができあがったんでしょうね。
ー3学期もオンラインになりましたが1学期と違いはありましたか?
Zoomにも慣れていましたし、それぞれの先生がどんな授業をするかもわかっていたので、安心して受けることができました。
ーやはり慣れていって安心感が増したんですね。
ー中2になってからの生活はどうですか?
中2になってからは生徒会活動を始めたので、部活以外の先輩がたくさんできました。先輩たちがとてもやさしくてうれしかったです。真面目な方たちなんですけどおもしろい一面もあって…。
ー先輩の新しい一面が知れてよかったですね。
ー5月に予定されていたSDGs関連団体への訪問は残念ながらオンラインになってしまいましたが、いかがでしたか?
私たちのグループは、KDDI、三井住友海上などの社員の方からお話を伺いました。
会社で取り組んでいるSDGsの番号と具体的な内容や社内での達成度などたくさんの質問に答えていただくとともに、各社の方からプレゼンテーションをしていただきました。三井住友海上の方はスライドに工夫があったりクイズ形式で進んでいったりして、プレゼンの仕方を見習いたいなぁと思いました。KDDIの社員さんは会社が近くだったということもあって、インタビューが終了した後10分くらいでSDGsのステッカーを届けてくださるというサプライズもありました!
-学校の近くにはたくさんの企業がありますからね。すてきなサプライズでしたね。たくさんの社会人の方から多くの学びをいただきましたね。今後のステップに活かせる内容だったようで良かったです。
ーこれまでインタビューを受けて何か気づいたことはありますか?
自分のことをここまで細かく話すことは今までなかったので良かったです。
昨年度、私たちほどたくさんオンライン授業を受けた中学生はあまりいないんじゃないかな、と思います。色々と新しいことを学べたし、Zoomでも仲良くなれて交流できて。本当に会った時は「わー久しぶり!」となってすぐになじめました。直接会う前にZoomで会えていたことがとてもプラスになったと思います。でも、家からみんなと会うのはさびしさもあるので、本音を言うとやっぱり対面の方が楽しいな、と思います。
ーそうですよね。やはり直接合って色々な関わりが持てるのが一番いいですね。
ーMさんが自分で和洋に合っているな、と思うところはどんなところですか。
YouTubeとか、好きなアイドルとかアニメとかゲームとか…、色々な共通点を持った人がいることです。クラスのフレンドリーな人をきっかけにして話が広がりますし、趣味が違う者同士も話が盛り上がるので、それぞれが熱く語っているうちに一つになっています。でもやっぱり一番盛り上がるのは先生の話ですね!
ー私も中学生の頃、先生の話で盛り上がったのを思い出しました。やっぱり生徒の皆さんにとって先生の話で盛り上がるのは今でも一緒なんですね。
ーまだ中2なので答えにくいかもしれませんけど、私立の中高一貫校で学ぶ良さって何かありますか?
中学だけだと先輩が中3までしかいないんですけど、高校まであると高3の先輩までいるので、先輩がたくさんいて良いと思います。例えば、部活だと体力も技術も高校生の先輩の方がすごくて、色々な学年の先輩からアドバイスしてもらえる機会があるのがうれしいです。知識の幅がとても大きくなって高校生の分まで増える感じです。
あと、授業で知識を深掘りしてくれるのがいいと思います。理科では教科書の内容だけでなくてプラスアルファの知識を教えてもらっています。
ー自分自身、中学生になって変わったなと感じるものはありますか?
趣味の話も含めてなんですけど、自分と違う考えを持った人の話を受け入れられるようになったかな、と思います。関わる人が増えていくことで自分の幅が広がっているように感じます。
ー将来の夢はありますか?
ドラマの影響もあるんですけど、今は看護師になりたいと考えています。家族は「あなたはやさしくて誰とでも話ができるから向いているんじゃない?」と言ってくれています。
ー明るくて前向きな看護師さんになってくれそうですね。
ー最後に、これから和洋を受けようと考えている皆さんにメッセージをお願いします。
和洋に通っている人はみんな仲がいいです。クラスをまたいでフレンドリーで毎日がとても楽しいですよ。
受験勉強については「無理に頑張りすぎないで!自分の好きなものを伸ばしていくのがいいよ」と伝えたいです。
ー好きと得意がつながりそうなMさんからのメッセージとしてとても気持ちが伝わってきますね。ありがとうございました!
【X先生からのMさんについてのコメント】
Ⅿさんは、明るくクラスを盛り上げてくれる存在で、いつもみんなが楽しくなるようなちょっとしたアイデアを提供してくれます。
好奇心を持ってなんでも素直に吸収し、実行に移そうとする純粋で前向きな姿勢は、中学生としてとても大切なことだと思います。これからの成長が楽しみです。