Stories
-インタビューを通して和洋生の成長をお伝えするStoriesの38回目。今回は中3のMさんからお話をうかがっていきたいと思います。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
-では、インタビューに入っていきましょう。Mさんは小さい頃どんな子でしたか?
私は人見知りで、小さい頃は自分から話しかけることもできなかったので、友だちがとても少なかったです。休み時間は本を読んで過ごすことが多くて、図書室に毎日通っていました。
-どんな本を読んでいたんですか?
「何でも魔女商会」シリーズをよく読んでいました。主人公の女の子は人間なんですけど、その子が魔女のやっているお店に通っているうちに色々なことが起こる物語で、ファンタジーです。
-小学校に入る前から本を読むのが好きだったんですか?
そうですね。小さい頃から母が童話の読み聞かせをしてくれていて、その頃からずっと本を読むのは好きでした。
-図書室に毎日通っていたとおっしゃっていましたけど、同じように通っていた人もいたのではないですか?
はい、いました。その子とは仲良くなって、「どれくらいたくさん本を読めたか」を競い合っていて、その子には及ばなかったんですけど、一心不乱に本を読むうちに習慣になっていって、本を読むことが苦になることはありませんでした。その子がいたから本を読むのが習慣になったのだと思います。
-そうなんですね。今でも本を読んでいるんですか?
はい、私はアニメが好きなので、最近はアニメの原作を読むことが多いです。今読んでいるのは高校生の話なんですけど、主人公が同世代の作品の方が共感できることが多くて楽しんで読むことができます。
-確かに読んでいてその世界にのめり込むことができますよね。
-小さい頃何か習い事はしていたんですか?
幼稚園の頃から小6まで英語を習っていたのと、小4の1年間だけピアノを習っていました。
-ずいぶん長く英語を学んでいたんですね。
学ぶと言っても、小さい頃は英語のゲームをしながら楽しんで、小学校に入るとテキストを使って単語や文法もやったり、会話をしたりしました。
-そうなんですね。ずいぶんとアドバンテージがありそうですね。
検定は小学校の頃から受けていて、今は2級に挑戦しているところです。
-もう2級の勉強をしているんですか。かなり難しいですよね?
英語は単語がわからないと理解できないし、長文を読むのでも習っていない文法だとなんとなくしかわからないので大変です。リスニングも発音がわからないと聞き取れませんし、スピードが速くなって、1度しか読まれないので難しいです。
-大変な中で頑張っているのですね。
-ちょっと難しい質問かもしれませんけど、英語を学ぶ意義って何だと思いますか?
私の父は英語を使って仕事をしています。その姿を見ているので、自分も色々な人と話ができるようになりたいと思っていますし、目標でありお手本になっています。
-なるほど、近くにお手本となる存在がいらっしゃるんですね。
-お父様とは英語で会話することはあるんですか?
普段は日本語で話しますけど、休みの日とか車の中で二人の時は英語でしゃべることもあります。
-いい環境ですね。これからも英語の勉強頑張ってください!
-ピアノを1年間習っていたという話もありましたが、どのような経緯で学び始めたのですか?
小学校の休み時間では、自由にピアノを弾けました。クラスの子がピアノを弾いている様子を見て「両手で弾けるのすごいな、私も弾けるようになりたいな」と思って、親にお願いして習うことになりました。私は他の人より上達するのが早かったみたいで、半年で「エリーゼのために」の練習を始めました。学校の昼休みに友だちの前で弾いたら、「Mちゃん、いつの間に弾けるようになったの??」と驚かれました(笑)。ほめてもらえたのが嬉しくて、新しい別の曲にもチャレンジしていました。
-すごいですね。才能があるんですね。
今でも有名で自分が弾きたいなと思う曲があると、家の電子ピアノで弾くことがあります。
-1年間しか習わなかったのは何かあったんですか?
塾に通いはじめていたので、4科の勉強があって、ピアノも宿題が出て、という中で両立が大変になって勉強一択になりました。その時は、中学生になったらまた始めようと思っていましたけど、中学生になると部活が大変なので、断念しています。
-なるほど。受験勉強のためだったんですね…。
-4科の中では何が得意だったんですか?
受験の時は国語が一番得意でした。さっきも言ったとおり本を読むのが好きだったので、読解問題も好きでした。逆に、算数は文章題が苦手でした…。
-本を読む習慣が付いている人は国語が得意ということが多いですね。なぜだと思いますか?
本を読んでいると心情が想像できたり情景が自然と浮かんでくるようになるので、読解問題でもイメージしやすいのだと思います。
-それまでの圧倒的な読書量によってイメージがわきやすいのに加えて、長文を読むことに慣れているというのもあるのでしょうね。
-これから読書を始めたいという小学生に向けてお勧めの本はありますか?
小学生の低学年の頃は「かいけつゾロリ」のシリーズがお勧めです。はじめての読書としては親しみやすくて読みやすいので良いと思います。読書自体、プラスになることが多いのでお勧めです!
-これを読んでくれている小学生にも参考になりそうですね。ありがとうございます!
-では、受験の話に戻りましょう。和洋九段が候補に挙がったのはどのような流れだったんですか?
父からの勧めがきっかけです。はじめに説明を聞いたのは東京国際フォーラムで行われた合同相談会でした。
和洋は家から1時間近くかかるんですけど、乗り継ぎがなくて一本で来られるので、電車の中の時間を有効に活用できると考えて候補に入れました。東京の都心にあるので、環境もいいですし、女子校で和やかな雰囲気なのも私に合っているな、と感じました。
私自身、公立より私立の方が高校受験がない分、その先の大学受験に向けた勉強に専念できるなと思っていて、雰囲気もよさそうだったので学校を訪問しました。
-実際に訪れてみて印象はいかがでしたか?
在校生が案内してくれる校舎見学会やクラブ体験会に参加したんですけど、先輩達がやさしく接してくださったので、嬉しかったです。クラブ体験会で、今所属している管弦楽部と出合って、バイオリン体験をさせてもらって「キラキラ星」を弾けるようになって、こんなに楽しいんだ!と思いました。他の学校では生徒の方と関わる機会が少なかったので、とてもよかったです。
-素敵な体験ができたんですね。
-そして入学してすぐにコロナの影響がありましたね…。
オンラインで授業を受けるということが初めての経験だったので、はじめのうちはすごくドキドキしました。でも、担任の先生がオンラインでも他のクラスメイトと話せる機会を作ってくれて、6月に初めて会った時も仲よく過ごせました。
-そうだったんですね。
-オンライン授業はいかがでしたか?
私はオンライン授業が合っていたと思います。通学時間がない分、勉強時間が多くなりました。
あと、オンラインでもPBLをやっていたんですけど、私は人前で話すのが苦手だったので、オンラインだと人目を気にすることなく発表できて対面よりやりやすかったです。
-なるほど。人目を気にしなくてすみますし、自分の家でリラックスして臨めるのでしょうね。安全地帯の安心感があったということでしょうか。
-学校でもPBLを行っていますけど、PBLを通じて成長したなと感じるのはどんなところですか?
プレゼン力が上がったかなと思います。今考えると、中1の時は自信を持って話してなかったように感じますし、実際話すのも上手でなかったと思います。中2くらいからは堂々と自分の意見を伝える、という思いで発表できるようになりました。
-成長のカギとなったことは何だと思いますか?
あまり覚えていないですけど、発表を重ねていくうちに、うまくプレゼンしたいという思いが出てきたのだと思います。上手な人の発表は、緊張しているように見えなくて、自然体で発表できていました。表現力もあるので、その人たちのよいところを取り入れて発表するようにしていました。
-上手な人のまねをするというのは「形」を取り入れるということだと思いますけど、それによって気持ちの部分も変わってくるんですか?
小学校の頃は限られた人としか話をしていなかったんですけど、中1になって色々な人から声をかけてもらえて関わりを持つようになって、だんだんと自信を持てるようになったと思います。
-関係性の変化が自信に繋がったんですね。
-今、一番好きな授業は何ですか?
理科2の生物分野が好きです。中学になってから色々な発見があっておもしろいな、と感じることが増えました。小学校の頃は国語の方が好きだったんですけど、今は理科に興味がわいてきました。
-授業で印象に残っていることはありますか?
担当の先生が最近気になっている理科の話をしてくれるコーナーがあって、それが楽しいです。コロナワクチンのことや植物の毒の話など、色々な話をしてくれます。新しい知識を得られるのでとても楽しいです。
-最新の情報をたくさん聞けるのがいいですね。
-理科でもPBLを多く行っていると思いますが、今までで一番おもしろかったPBLは何でしたか?
天気図を渡されて、それを自分で読み解いて天気を予想するという中2の3学期に行ったPBLです。正解に近いものがあると思うのですが、考えていくプロセスが合っていると嬉しくなります。自分が天気予報を言っているみたいで楽しかったです。
-オンラインの時期でしたから、聴いている人はまさに画面越しに見ていたわけで、臨場感があったでしょうね。
-では、次に部活動の話を聞いてみましょう。管弦楽部に入っているということですが、入部してからのことをお話ししてもらえますか?
私たちが入部できたのは2学期の後半からでした。元々バイオリンをやりたくて入ったんですけど、色々な楽器を体験させてもらって、フルートやクラリネットの管楽器もいいな、と思いました。最終的にはフルートの高いけど心地よい音が好きだなと感じてフルートを選びました。先輩達から「フルートは色々な曲でソロが吹けるよ」と聞いていたのもポイントになりました。
-フルートをやり始めてどうでしたか?
はい、はじめの頃は何度もバイオリンの方が合っていたかも…と思いました。指遣いが大変なのに加えて管楽器は息を使うので、運動不足で肺活量が少ないために音も出なくて、大変でした。しかも音を出すだけではダメで、いかにきれいに出すかが大切なので、今も試行錯誤しながら取り組んでいます。
-今後の目標などはありますか?
最終的には、汚い音だったり雑音だったり無駄な音が入らないようなきれいな音で、一人で1曲吹けるようになりたいです。
-素敵ですね。どんな曲を弾けるようになりたいんですか?
「レ・ミゼラブル」の曲が好きなので、いつか弾けるようになりたいです。
-弾けるようになるといいですね。頑張ってください。
-最近は何か思い出に残ることがありましたか?
5月に九州へ修学旅行に行ったのがよい思い出です。
-どんなことを行ったんですか?
1日目と2日目は英語のプログラムが中心でした。インドネシアとかバングラディシュとかアジアを中心とした色々な国からの留学生が協力してくれて、グループに1人ずつ付いてくれたんですけど、ローテーションしてくれて他の留学生とも交流することができました。
-APU(立命館アジア太平洋大学)の学生さんでしょうね。色々なお話を聞けたんですね。
体験する中で、国によって同じ英語を話していても発音が異なるということに気づきました。なまりがあって聞き取りやすさに差がありました。多分、母国語の発音も影響しているのかな、と思います。
-すばらしい洞察力ですね。
-体験してみてどうでしたか?
テストでは点数を取れても、実際に話すとなると語学力だけでなくてコミュニケーション力も足りないな、と実感しました。瞬時に英文を頭の中で考えて話すのは難しいです。聞き取りも難しくて、私が間違った意味で捉えてしまって返答をしたので、変なことを伝えてしまったということもありました。でも久しぶりに学校の先生以外で外国の人と話せたので楽しかったです。
-他にはどんなことをしたんですか?
長﨑では自主研修で街をめぐりました。私は班長だったんですけど、初めてのところで全然場所がわからなくて引っ張っていけませんでした。路面電車も乗り間違えてしまって…。でも行き先が同じ他の班の人と協力して目的地である原爆資料館までたどり着くことができました。
-原爆資料館を訪れたんですね。いかがでしたか?
資料をじっくり見る時間はありませんでしたが、映像を見て、被爆した子供たちが「水がほしい」と願っても、まわりの人も自分のことで精一杯で助けることができなかったという話を知りました。
家族が死んでいくのを何もできず見過ごすしかないというのは、想像できないくらい悲惨なことだと思って、とても悲しい気持ちになりました。
-私も何度か訪れたことがありますが、やはり実際に見るのは衝撃が違いますよね。よい経験をしましたね。
-他には何をしたんですか?
ハウステンボスではそれまであまり話したことがなかった班の子と一緒に行動して、その子の良さもわかって仲が深まるきっかけになりました。
-修学旅行で一番の思い出は何ですか?
やっぱり長﨑の自主研修です。迷ったけど乗り越えた達成感がありましたし、他の班の人とも交流が持ててよい経験になりました。
-よい思い出ができてよかったですね。
-日々の生活も頑張っているようですが、どこに力を入れているのですか?
私は通学中の電車の中を有効活用しています。電車内で宿題をしたり英語の単語帳を見たりして、家に帰ってからはその日の復習や明日の予習をしています。ただ、私は家だとだらけてしまうことがあって、家より外の方が集中できるので、試験前はスタディステーションを使っています。静かな状態で勉強できるからか集中できます。
-しっかり自分のペースを作れているのがすばらしいですね!
-では、最後に後輩と受験生に向けてメッセージをお願いします。
まずは後輩に向けて。コロナで中止になってしまう行事も多くて、本来の和洋の生活も送れていないですけど、今年は体育祭も赤組と青組に分かれて対抗戦もありますし、コロナ前のように行事ができるようになると思います。これからもっと楽しくなっていくと思うので、一緒に楽しんでいきましょう!
受験生に向けては、自分が満足できるように努力すれば必ず実を結びます。今後の自分のためになると思って一生懸命頑張ってください。
-Mさんの真面目さがとても伝わってくるインタビューでした。これからも頑張ってください。ありがとうございました!
【X先生からMさんについてのコメント】
Mさんは、真面目で穏やかな生徒です。いつもみんなを静かに見守り、声をかけてくれる優しさを持っています。また、芯が強く、常に冷静に状況を受け入れて何事も黙々とこなしながら実力を付けてきました。
まだ内に秘めた才能が眠っているはずなので、今後の成長とともにその力が発揮されることを期待しています。