Stories
ーStoriesも早いもので第10回を迎えました。今回は中2のMさんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ーさて、今回も最初に和洋に入学する前のことを聞いていきたいと思いますが、Mさんが好きな教科は何でしたか?
私は国語が好きでした。文章を読むのが好きというわけではなくて、自分で考えて文章を書く、ということが小さい頃から好きでした。
ーそうなんですか。考えて書くというのは小説を書くんですか?
いえ、文章を読んで、その後の話を考えて書くというのが一番好きでした。教科書に書いてある小説が終わった後に、その後のお話を書いていました。
ー図書室のカウンターにも有名な小説の続きを書いたものがありますよね。人によって考えるストーリーが違うのがおもしろいな、と思います。
ーでは、最近いつも聞いているのですが、小学校の頃に習っていたことはありますか?
はい。水泳とピアノ、テニス、英語、習字と塾ですね。
ーなるほど。この中で一番充実していたのは何ですか?
一番ワクワクしながら続けていたのはテニスですね。小学2年から中学1年の途中まで続けていました。高校生や中学生と一緒に小学生も練習する環境で上手な人がたくさんいたクラスだったので、楽しかったです。受験勉強に疲れた時、息抜きに通ったりもしました。
ー受験勉強だけ行い続けるのはしんどいですもんね。いい気分転換になったことでしょう。
ー中学受験を目指そうと思ったのはどんなきっかけがあったんですか?
母からは公立でもいいんじゃない?と言われてたんですけど、姉が私立中学に通っていて、自分もこうなりたいな、と思ったのがきっかけだと思います。中学になって新しい友だちができてすごく楽しそうで…。自分も同じように楽しみたい、というのがありました。
ー受験勉強での思い出は何かありますか?
私は算数が大の苦手で嫌いで一生見たくない!みたいな感じでした。自分で質問するのは苦手だったので、プリントをひたすら解いていました。塾の先生が「最後まで頑張れば力になるよ」と励ましてくれて、オリジナルのプリントを作ってくれて。それで頑張れました。
ーそれはありがたいですね。Mさんの成長を願って時間を割いてくださったのでしょうね。
ー和洋九段を受験校に入れようと考えたのはなぜですか?
さっきも話したとおり、私は小学校の頃から硬式テニスを習っていて、中学からは硬式テニスを学校のクラブ活動でやりたいなと思って、硬式テニス部がある中学校を探す中で和洋九段を見つけました。
ーそうなんですね。何かイベントには参加しましたか?
はい、クラブ体験会に参加したんですけど、先輩たちがやさしく丁寧に教えてくれました。私はテニスを習っていたのでわりとできる方だと思われていて、先輩たちと打ち合いをたくさんさせてもらいました(笑)。
ー他の体験者とは違う別メニューだったわけですか。よい体験になりましたね。
ーでは、入学後のことを聞いていきましょう。入学する直前にコロナウイルスの問題が出てきましたけど、どうでしたか?
初日は制服を初めて着て、タブレットと教科書をもらいに母と一緒に登校しました。少し緊張しましたけど、式があったわけではないですし、教室に行ったわけではないので…。新入生らしい人にもその日は会いませんでした。母と帰り道に「いよいよ始まるね」と言いながら帰りました。友だちができるかな、という思いはありましたけど、あまり状況がよくわかっていなかったのか大きな不安はなかったと思います。
ーそうなんですね。世の中全体がこれからどうなるのかよくわからない、という状態でしたからね。
ー4月半ばからオンライン授業が始まりましたけど、どうでしたか?
Zoomのブレイクアウトで1対1でクラスの人と話すことになって、すごく緊張したのを覚えています。私はおしゃべりするのが好きなのでそういうのも苦にならないんですけど、相手からのリアクションが薄いとうまくコミュニケーションが取れなくてそわそわしてしまいました(笑)。
ー相手も緊張していたのでしょうね。何回もそういうのをしたんですか?
そうですね。かなりの回数やって、その中で仲良くなった子もいました。
ーおもしろいですね。今までにない関係性の作り方だと思います。貴重な体験でしたね。
ー授業の中でのエピソードはありますか?
和洋の先生はパソコンで資料を作ってくれてパワーポイントで一枚一枚丁寧に説明してくれました。算数が数学になっても好きではなかったんですけど、細かく説明してもらうのを聞く内に、自分ができる楽しさみたいなものを感じられて、「数学、できるんじゃない?」と思えるようになって実際にやってみるとできて、「今まで何してたんだろう?」という感覚になりました。
ーおー、それはすごい。自分ができないと思い込んではめていた枠がすぱーんと抜ける感じですかね。それがオンライン授業の時に訪れたというのがまた興味深いです。この話を聞いたら担当の先生は喜ぶでしょうね。そういう気づきが得られたのは大きいと思います
ー他に楽しかった授業はありますか?
理科の授業で授業に関連した画像を見たり、時事ニュースに触れたりして、色々と飽きないように工夫してくれていたかな、と思います。
ーそうなんですね。先生方は色々と苦労しながら皆さんが飽きないように工夫をしてくれていたのでしょう。
ーでは、6月の入学セレモニーについて聞いてみましょう。どんな感じで迎えたんですか?
オンラインで友だちになった子とずっと一緒にいたかのような仲の良さがありました。緊張もほとんどなくて、不思議な感じでした。仲のよい子に限らず、同じクラスの仲間として、色々な子に話しかけていました。
Zoomでは気づかなかったんですけど、この子は背が低いかな、と思っていた子が意外に大きくてびっくりした、というのがありました(笑)。
ーリアルに会ってわかることがありますよね。
ーその後は対面とオンラインとが併用されましたけど、どちらが合っていましたか?
私は対面の方がはかどりました。オンラインだと私はどうしてもわからないことがあった時に話しかけづらいんですけど、対面だと授業中に直接質問できます。対面の方が友だちが隣にいてやってる感じがしますし…。
ー小学校の時には中間考査とか期末考査というものがなかったと思うんですけど、中学に入ってからの考査はどうですか?
小学校ではテストという感じがあまりしなかったんですけど、中学生になってきちんとしたテストになって、初めてのテストはすごく緊張しました。
ー皆さんは1学期の中間考査が中止になりましたから、期末考査からでしたよね。中学生になって急に勉強が難しくなった感じはなかったですか?
大変にはなりましたけど、中学生になったんだなぁと受け止めていました(笑)
ー大変なことを前向きに捉えられるのがすごいですね。
ーでは、中学2年生になってからのことを聞きましょうか。後輩ができたわけですけど、どうですか?
まだ実感はないです。部活動でも後輩との関わりはまだないので…。
ー確かに中1がクラブ活動に参加し始めたのは最近ですからね。これから先輩としての自覚も出てくることでしょう。
ーでは、中2になってから行われたグローバル遠足のことを聞きましょうか。まず、電話をかけたところから聞きたいのですが、どうでしたか?
初めて電話する時はめちゃくちゃ緊張して、手が震えていました。私たちは4社に電話をかけて2社からOKをもらえました。
ー緊張しますよね。どんなふうにして訪問する場所を決めたんですか?
はじめにSDGsのゴールをそれぞれが一つ決めて、違う番号同士でクラスをこえてグループを組みます。違う番号にすることで、質問の内容も変わってきますし、訪問先を選ぶ際の視点も変わってきます。
話し合いを行う時はオンライン授業を行っている期間だったのでZoomで話をしたんですけど、それぞれがSDGsに関連する訪問先の候補を考えておいて伝え合いました。その中から皆で選んで電話をしてみる、という形で、結果的に私たちはKIRINといであ株式会社にお話を聞くことができました。
ーKIRINは和洋の自動販売機でもお世話になっていますよね。CIESFとコラボした寄付型の自動販売機を設置しているということは、Storiesの第2回でも紹介されていました。いであ株式会社というのは初めてですよね。どんな会社なんですか?
環境に配慮した街作りなど総合的なプロデュースを行っている会社です。どちらもとても丁寧に対応してくださって、何度も確認しながら進めていってくださったので、「ワーオッ」って思うくらい感動しました!Zoomではあったんですけどとても楽しかったですし、丁寧に対応してくださって嬉しかったですし、自分たちも何か実践していきたいな、という気持ちになれました。
あと、大人の方、というか会社に勤めている方と関わりを持つのが初めてだったので、はじめは緊張したんですけど「社会」に少し触れられたというか…。ちょっと大人に近づけたようにも感じました。
ー確かに貴重な体験ですよね。社会と繋がる感覚を得られたのでしょうね。実践しようと思うことと、実際に実践するのには大きなギャップがありますから、ぜひ小さなところからでも良いので実践していってくださいね。失敗OKのつもりでどんどんチャレンジしていくと、高校になってからどんどん広がっていきます。勉強や部活動と違うもう一つの軸を持っていると生活にハリができると思いますよ。ぜひ実践してください!
ー小学校時代から今まで色々と質問してきましたけど、何か気づいたことはありますか?
さっきも少し話したんですけど、勉強の楽しさというか、自分でできる楽しさというか、そういうものを自分で実感できたということは、ちょっとは勉強が楽しくなってきたということなのかな、と思います。
ーなるほど、そういうのいいですね。勉強ってともすると「無理に頑張る」というイメージがあると思うんですけど、それを楽しめるという感覚をつかめたのが大きいと思います。しかもそれを数学でつかんだんですよね。すばらしいと思います。
ーそんなMさんの将来の夢は何ですか?
将来はホテルのスタッフになりたいと考えています。私は自分で狙ってやっているわけではないんですけど、家族とか友人から「~してもらって嬉しい」「人を笑顔にしてくれる」と言われることが多いんです。私はディズニーがすごく好きで、ディズニーの系列のホテルに行くことが多くて、キャストの方々はこどもにも丁寧に対応してくださって、笑顔がたえない感じだったので、それに憧れて私もあんな風になりたいな、と思っています。
ー人に丁寧に振る舞うことで「ありがとう」と思ってもらえるような仕事をしていきたいということですか。意識しないで行っていることが感謝されるということは、完全にMさんに根付いているということですよね。それがどのようにできあがってきたのか気になります。
私は小さい頃からそういうことをするのが好きだったのかな、と思います。人を喜ばせることが好きで、友人ができた時も「この子が笑顔になってくれたら私も楽しいな」という感じです。他にも、落ちたものを拾ってあげたり、サプライズをしたり、家族の手伝いをしたり、色々あります。
ーMさんが何かをした時の相手のリアクションも関係するんですかね。
何かした時に笑顔になってくれたり、嬉しいといってくれたり、ありがとうといってくれたりすることが多かったんだと思います。小さい頃から家族も全体的に明るく、やさしく接してくれますし、楽しいことをしてくれます。姉もおもしろいですし、楽しく過ごしています。
ー家族の仲がよいということが大きいのでしょうね。心が温まりました。ありがとうございます。
ーでは、最後になりますが、受験生に向けてメッセージをお願いします。
今は勉強楽しくないな、やりたくないな、と思う気持ちがすごく強いと思います。自分も実際そうだっただけに感じるんですけど、それを乗り越えると絶対楽しいことが待っていると思うので、今は一生懸命取り組んで、ぜひ和洋に入ってください!
ー和洋に入って何かをつかんだMさんならではのコメント、ありがとうございました!
【X先生からのMさんについてのコメント】
Mさんは、明るくていつも笑顔がたえない学級委員です。自分のことばかりではなく、周りに気を配れる余裕が出てきたところにも成長を感じます。行事に対しても積極的で、たくさんのアイディアを持っています。この前向きな姿勢は、中学校に入学してから様々なことに挑戦する中で少しずつ身に付いていったものです。そのチャレンジ精神を活かし、今後の更なる成長を期待しています。