-生徒の成長をインタビュー形式でお伝えするStories。今回は31回目になります。中3のMさんからお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
-では、早速お話をうかがっていきましょう。Mさんはどのような小学校生活を送っていましたか?
明るくて誰とでもすぐに仲良くなれる感じでした。放課後は毎日公園で遊んでいましたが、おてんばすぎて体のどこかにキズがあったと思います。
小6の運動会前日にも転んでヒザをケガしてしまって、大きなばんそうこうを貼って参加しました。親には「どこにいるかわかりやすくてよかった」と言われました(笑)。
-そうなんですね。運動会では活躍する方だったですか?
6年生の時に組体操をおこなって、「虹」という技があるんですけど、中心部分で10人で作るピラミッドの一番上になりました。
-それは目立つポジションですね。どうしてMさんがそこを担当することになったんですか?
体が小さかったからだと思います(笑)。ただ、何人かいた小さい子が全員上ってみて、ほとんどの人が怖そうな顔をしていた中で、私が楽しそうにしていたから選んだと先生から言われました。
-組体操で大変だったのはどんなところですか?
音楽に合わせて決められた動きをするんですけど、遅れないように急いで上らなければいけないので、そこが大変でした。
-そこから見えた景色はどんなでしたか?
練習の時とは違ってお客さんがたくさんいるなとか、家族はどこにいるかなとか、「あ、○○ちゃんのお母さんだ」とか色々と考えてました。ポーズを決めてから20秒くらいだったと思うんですけど、短く感じましたし、とても楽しかったです。
-余裕ですね(笑)。
-運動神経も良いのだと思いますが、習い事は何かしていましたか?
色々やっていました。塾以外にピアノ、トランポリン、水泳、バレーボール、書道などです。
-色々と興味深いのがありますね。ではまずインタビュー初だと思うのでトランポリンについて聞いてもいいですか。
トランポリンと水泳は同じ教室で行われていました。兄がそこで水泳を習っていて、私も水泳が習いたくなってついていきました。その時、ピョンピョン跳ねているのを見て、楽しそう!と思ったのがきっかけで習い始めました。
-長い期間習っていたのでしょうか。技もできるようになったんですか?
はい。3歳から小6まで9年間習っていました。高学年の大会では「バラニー」と呼ばれる前宙を1回する間に体を半分ひねるという技を取り入れました。
-なんだかすごい状態ですね。そこで見える景色はどんな感じなんですか?
回転している時はおへその方を見ているので視界はでんぐり返しをしている時とあまり変わりません。スピードがかなり付いているので、走るのの倍くらい風を切る感覚があります。実際跳んでみると技がうまくいっているのか自分ではよくわからないということもあります。
-なるほど。大会にも出ていたんですか?
はい。低学年の部では習っていたところが主催の大会で優勝したことがあります。
-すごいですね。大会というのはどんな風に行われるんですか?
10回連続で跳ぶんですけど、私は最初後ろ宙返りから始まって、最後をバラニーで終わるという構成でした。
-そんな話を聞くと、組み体操の上でポーズを決めるなどはへっちゃらな感じがしますね。
-Mさんは今バレーボール部ですけど、小学校の時から習っていたんですね。
小5から習い始めたので2年間習いました。きっかけは友だちに誘われたことだったんですけど、体験に行った時にすごく楽しくて習うことにしました。他の人に比べてダントツに背が低かった記憶があります。ママさんバレーもしているそのチームのOGのお母さんがコーチをしてくれていて、たくさんほめてもらえるのが嬉しかったです。練習終わりにお菓子をもらえるというのも楽しみの一つでした。
-6人制ですか?
9人制バレーでした。ローテーションはなくて私はど真ん中を守っていました。どんなボールでもレシーブするという気持ちで臨んでいましたし、たまにアタックも打っていました。
-そうなんですね。試合にも出ていたんですか?
そうですね。うちのチームは強いわけではなかったですけど、試合に勝った時にはコーチが誰よりも喜んでくれました。
-一緒に喜んでくれるのがいいですね。
-今、Mさんはバレーボール部に入っていますよね。習い事を複数していて、クラブも色々と選択できたと思うのですが、その中でバレーボール部を選んだのはなぜですか?
体操部とか水泳部、書道部も選べたんですけど、小学校の時、バレーボールが一番楽しくできていたので選びました。他は1人で行うものが多いので、チームプレーが楽しかったのかなと思います。
-入部してみていかがでしたか?
先輩方が優しくしてくれましたし、ずっと横にいてマンツーマンで教えてくれました。一番面倒を見てくださったのがその当時のキャプテンで、今はチームのコーチをしてくださっています。私は学年で1人だけなので、先輩方には準備なども含めてたくさん助けてもらいました。
-1人だと大会に出ることが難しいですよね。
中学1年生大会では白百合と九段中等のバレー部員と合同チームを作って試合に出ました。合同練習で白百合に行った時には白百合のバレー部の先輩方からも優しくしてもらえてそれも嬉しかったです。
-試合に参加してみていかがでしたか?
午前中、たくさんのチームと1セットずつ戦って、午後は順位決定戦をしました。すごく緊張したんですけど、みんなで協力してプレーすることができて結構勝てました。先輩や顧問の先生も応援に来てくださって、とても嬉しかったです。
-勝因はどんなところだったのでしょう?
サーブ力が強かったのだと思います。結果として千代田区で3位になることができました。
-すごいですね。私も応援に行っていましたが、先輩達も皆さんの頑張りに涙していましたよね。きっと皆さんの頑張りが伝わったのでしょう。
-その後、先輩の試合にも助っ人として複数回参加してくれましたね。
はい。先輩のチームに入るのは正直不安でした。ポジションもわからないことだらけで、足を引っ張るのではないかという思いが強かったのですが、先輩方は全員「緊張しなくていいよ」「楽しみな」と声をかけてくださいました。本当にかわいがってもらえているな、と感じます。いつも先輩方がサポートしてくれますし、受け入れてくださって、幸せです。
-今は後輩ができましたけど、どんな風に関わっていますか?
その日にうまくいっているところなどをほめるようにしています。皆で楽しくやりたいな、という思いもあるんですけど、ただ甘いだけにはしたくないので厳しいことを言うこともあります。これからは先輩としてしっかりやらなければならないので、頑張っていきたいです。
-ぜひ部員のお手本となって輝いてくださいね。
-では、中学入試のことを聞いていきたいと思います。Mさんはなぜ中学入試をしようと考えたのですか?
兄は公立中学に通っていたんですけど、高校受験があって入学したと思ったらすぐに大学受験の勉強が始まってと、兄も親も大変だったそうです。そこで私は中学受験をすることになりました。
-和洋九段が受験校に入ってきたのはなぜですか?
いとこが国府台に通っていて、和洋はいい学校だよ、と勧めてくれたのがきっかけです。私の住んでいるところは国府台に通うには少し遠かったので、都内にある和洋九段を訪問することにしました。文化祭で制服の試着をしたり、校内を見て回った時に校舎がとてもきれいだったのが記憶に残っています。制服のスカートがチェックでかわいいなと思いました。
-文化祭に来校した際に覚えていることはありますか?
教室に展示されている授業で作った作品を見たり、扇の舞の映像を見たのが印象に残っています。
-映像で見たのが初めてだったんですね。実際に入学して先輩の「扇の舞」を見た時はいかがでしたか?
私が中1の時に初めて見たのが、コーチが高3の時の扇の舞でした。直前までは会場がザワザワしていて私も周りの子とおしゃべりをしていたんですけど、会場が急に静かになって中1でもわかる雰囲気の変化がありました。ウェーブをはじめとして動きが揃っていてとてもきれいでしたし、自分たちも高3になったらああいう作品を作りたいな、と思いました。舞が終わって先輩達が涙を流している姿を見て、それに感動して私ももらい泣きをしてしまいました。
-毎年あの瞬間は期待に胸が高鳴りますね。その時はまだ新型コロナの問題も起こっていなかったので色々競技をやっていましたよね。
はい。クラス対抗リレーとか、ダンスとか玉入れとか色々な種目に出ました。
-中1の最後からは新型コロナウイルスの影響が出てきましたね。
はい。私はオンライン授業になって成績がすごく落ちてしまいました。どうしたらいいかわからなくて諦めてしまった自分がいました。友だちとも会えないし、後ろ向きになってしまって、人生で初めて何事にもやる気がなくなって、好きだったバレーボールも嫌いになってしまいました。
-大変な生活を送っていたんですね。どのようにして克服していったんですか?
イライラして勉強も手に付かなかったので、点数も悪くなって順位も落ちてしまったんですけど、成績が落ちて「このままじゃまずい。ちゃんとやらなきゃな」と思うようになりました。
-学習に前向きに取り組む上で参考にしていることはありますか?
先日オンラインで行われた「先輩の話を聞く会」で高3の先輩からお話を聞く機会がありました。ある先輩は、試験前も2週間前から手帳にきちんと計画を立てて勉強していました。私はこれまで、やりたい時にやりたいことをやりたいだけやっていたことに気づきました。自分の計画性のなさを痛感しましたし、今考えると苦手なものから逃げていたのかなと思います。
-当面の目標はありますか?
中1の時、九段下の駅で外国の方に英語で声をかけられて答えられなくて悔しかったことがありました。その時は駅員さんのところまで連れて行って対応してもらったんですけど、自分でもきちんと答えられるようになりたくて、英語力をつけるために留学をしてみたいな、と考えています。
-コロナが落ち着いて、海外に行けるようになるといいですね。
-まもなく高校生になりますが、今後取り組んでいきたいというものはありますか?
私は色々な人に助けてもらってきたので、今度は自分が助けてあげられる存在になりたいなと思います。
-具体的にはどのような方を助けていきたいというものはありますか?
実は先日一人暮らしをしていた祖母が亡くなったんです。最後に一緒にいてあげられなかったのがとても残念で、祖母の死を受け入れられない状態が続きました。そこから、「孤独死」の問題を何とかしたいと思うようになって、自分でできることは少ないかもしれないけど、色々と調べてより多くの若者に伝えていきたいと考えています。
-おばあさまとの別離という自分の経験が社会的な問題と繋がっていっていったんですね。自分ごとにすることでどんどん広がっていきますので、できることはたくさんあると思います。ぜひ頑張ってくださいね。
-では最後に後輩に向けて、そして和洋九段を受験するかもしれない受験生に向けてメッセージをお願いします。
まず毎日を楽しんでほしいな、と思います。でもテスト前はしっかり勉強することは忘れずに!あとよくないことがあっても物事を前向きに、プラスに考えていくのが良いと思います。頑張ってください。
-高校生になってからも社会にある問題を見つめ、成長してくれそうで期待できます。ぜひこれからも頑張ってくださいね。本日はありがとうございました!
【X先生からのMさんについてのコメント】
明るく面倒見がよいため、後輩に慕われています。中学合同学級委員会では、下級生がリラックスできるように声をかけ、会議を工夫して行ってくれました。クラブ活動においても同学年がいない中、先輩後輩と良好な関係を築き、他校生徒との関わりでも全体を見ながら声かけを行っていました。今後、更にリーダーシップを発揮できるよう頑張ってほしいですね。
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