-Storiesの21回目になります。今回は中2のAさんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
-さて、今回も小学校の頃のことから聞こうと思います。Aさんが小学校の時に一番印象に残っていることは何ですか?
私は幼稚園の頃から小学6年の夏まで習っていたバレエが大好きで、練習に行くのが毎週楽しみでした。
-バレエは自分で習いたいと言ったんですか?
はい。外国の少女がバレエのレッスンをする絵本を読んだ時、バレエを踊っている女の子の衣装や髪型がすごくかわいくて、憧れでした。それで私もやってみたいと母に頼みました。
-どんなことが楽しかったですか?
習っていたのは週に2回だけだったので家では毎晩ストレッチをしていました。上達すると先生にほめてもらえるのが嬉しくて、1回のレッスンでどれくらいほめてもらえるか数えたこともありました。今考えると本気で好きだったんだなと思います。最高で1時間に17回ほめてもらえました。
-3分に1回くらいのペースですか。それは相当ほめてもらえましたね。
-また習おうと思いませんか?
中学受験をする際に気持ち的にリセットしてしまったので、もう一度習おうという気持ちは薄れているんですけど、まだ習っている友だちもいるので、その舞台を見に行きたいなとは思います。コロナが落ち着いて、見に行けるようになるのが楽しみです。
-また見に行けるようになるといいですね。
-他には何か習っていました?
父が小さい頃からバイオリンを習っていて、その影響で姉も習っていたので私も少しやっていました。姉は今も続けていて、高校ではオーケストラ部に入っています。あとは水泳とか、書き方教室とかにも行っていました。それと塾ですね。
-塾での勉強はいかがでしたか?
はじめ通っていた塾は先生がコロコロ変わってしまったのとレベルが合わなくて、途中から姉が通っていた塾に変わりました。顔見知りの先生でしたし、そこでは安心して落ち着いて勉強に取り組むことができるようになりました。ただ、今考えるとなんであんなに勉強しなかったんだろう、というくらい勉強が好きではありませんでした。
-親御さんは勉強しなさい、ということは言わなかったですか?
勉強のことに限らず、親は今でもあまり厳しく言うことはありません。礼儀面などではきちんとしなさい、と言われることはありましたけど。
-Aさんのことを信頼しているのでしょうね。
-では次に、中学受験の時のことを聞いていきたいと思います。Aさんはなぜ中学受験をしようと思ったのですか?
姉が中学受験をしていたので私も、という流れでした。
小学校では男の子は自由にやりたくて、私はきちんとしたくて、ということで言い合いになってしまうことが多かったです。男の子がとても幼く見えて、色々と言われるのがいやだなと思っていて、女子校の方が落ち着いて学べるのではないかということで女子校を選びました。
中学に入ってから自分の中身が変わったなと思います。女の子だけで落ち着いて過ごせるのが一番大きいですけど、同じような状況の子が多くて、焦ることなく過ごせますし、前ほど口うるさく言うことがなくなりました。
-Aさんのお話をうかがっていると中学生とは思えないとても落ち着いた雰囲気だと感じるのですが、幼い頃からそうだったんですか?
小学校の頃から周りのお母さんからは大人っぽいねと言われていました。自分でも真面目な方だと思いますし、周りからは几帳面と言われるんですけど、自分にとっては当たり前になっているのであまり意識していないです。小学生の頃から周りをよく見ていたかな、と思います。いつも自然体でいるんですけど、あまり賑やかなのは好きではなくて、人混みで友だちが騒いでいると「ちょっと静かにしよう」と言うこともあります。今考えると、小5くらいからは今みたいな性格で、小3位の頃には周りのことを見ていたなと思います。小学校には色々な子がいますし、困っている人、泣いている人もいました。そういう中で声をかけにいったり近くに行ってみたり、手を差し伸べるやさしさを持とうと思っていました。たくさんいいことをしていると、後で自分に返ってくるようにも感じますし。だから、自分がこうしてもらえると嬉しいな、ということをなるべく相手にもするようにしています。
-本当にすばらしいですね。私が中2の頃はそんなこと考えたこともありませんでした。
-和洋九段を志望校に入れたのはどういう経緯からだったんですか?
母が勧めてくれたのがきっかけです。和洋九段を受けることに決めたのはかなりギリギリだったので見学には来ることができず、初めて来たのが入試の日でした。
-これもご縁ですよね。今、充実した生活を送れているようでよかったです。
-では次に、和洋に入学した後のことを聞いていきたいと思います。新型コロナで混乱している中での中学入学でしたけどいかがでしたか?
新しい制服を着るのが楽しみだったので、「これで中1の1年が終わってしまうのかな」という不安の中で過ごしていました。受験が終わったら中学生活が始まって、その年にある2020東京オリンピックを楽しみにしていたので、とても残念でした。でも、オンライン授業がすぐに始まったのはよかったです。
-オンライン授業で何か思い出に残っていることはありますか?
初回の授業の時にWifiの調子が悪くて接続が切れてしまったんです。サボっていると思われたらどうしようととても焦ったんですけど、その当時はタブレットの使い方もよくわからなかったし、その後にどうしたらよいかわからず、そのまま自分で勉強していました。今はタブレットにも慣れて、接続が切れたらどうしたらよいかわかりますし、先生からタブレットの使い方を聞かれることもあるほどになりました。
-そうなんですね。皆さんはデジタルネイティブですから、身につけるのもとても速いですよね。他には何かありますか?
担任の先生が発案してくれて色々とオンライン上でゲームをしたり、対面で話すことができない分、生徒だけで話す時間を作ってくれたり、そんな時間が思い出になっています。
3学期には皆が仲良くなっていたので、先生が少し外した時に誰かがちょっとしたいたずら心で「みんなで画面から消えてみよう」と発案して、やってみたりもしました(笑)。
-そんなこともあったんですか。オモシロエピソードですね。
-和洋に入学した後は勉強スイッチが入ったようですけど、何がAさんにとってのやる気に火を付けたんですか?
実は私はまだ得意科目が見つかっていないんです。その分、没頭できることがなくて集中しきれないように感じます。
「好きだから集中できる」というものがない分、今は数学とか英語の課題の多さが自分が頑張れるポイントになっていると思います。宿題はちゃんとやらなきゃと思うので、結果的に学習時間が増えました。あと、授業のスピードとか教え方などが私に合っていると思います。小学校のことに戻ったり、前の単元の復習もしてくれたり、とても丁寧に教えてくれます。その分、テストのために短期間で覚えるのではなく、じっくり理解しながら覚えていけるのがよいのかもしれません。
-じっくりと学習に取り組めるというのは先に繋がりそうでいいですね。
-普段の学習はどのように頑張っていますか?
私は少し押してもらえると自分で頑張れるので、英語に興味がありそうな人に配られる別の課題も積極的にこなしています。父が仕事で英語を使っているのを見て、自分も将来英語を使いこなせるようになるといいな、と思って頑張っています。
-これからは英語を使えることがとても重要になってきますからね。
-Aさんの将来の夢は何ですか?
なりたいのはウエディングプランナーです。CMで女優さんが演じている姿がすてきで、憧れるようになりました。親戚の結婚式に参列した時も、ウエディングプランナーさんの姿をずっと見ていました。お客様の前では笑顔を絶やさないのに、裏では忙しそうにしていて、そのような中でも幸せを見届けて、問題にもすぐに対応して、丁寧に仕事をこなしている姿を見て、本当にすごいなと思いましたし、かっこよかったです。
-よく観察していたんですね。
-勉強以外で力を入れていることは何かありますか?
私は中1から茶道部に入っていて、最近お手前を1人でできるようになりました。小さい頃に母がたまにお茶を点ててくれていたのがきっかけで茶道部に入ったんですけど、茶道はとても日本らしくて、一つ一つのお手前が丁寧で、言葉遣いとか足の運びとかが細かく決まっているので覚えていくのは難しいです。コロナの影響でかなり間が空いてしまったんですけど注意されずにできるようになったので、成長できたのが実感できて嬉しかったです。
-茶道の良さって何ですか?
静かで落ち着いているところだと思います。私は日本の「和」が好きなのですが、部活の時間に「和」を感じられるのが嬉しいです。母にそれを話したら「中学生なのにそんな大人みたいなこと思っているの」とびっくりされました。
-そうなんですね。今年は授業で日本文化も入っていますが、そちらはどうですか?
茶道もありますけど、他に華道と書道も体験しました。華道も一つ一つ丁寧に扱いますし、差し方のバランスも考える必要があります。あとやってみて気づいたのが、お花って一本が意外と重いんだな、ということです。母も今華道を習っているので、私が持って帰ったお花は母が生けて飾ってくれました。本格的に習っているだけあって上手でした(笑)。
-お母様もたくさんの趣味をお持ちなんですね。
-中2に入って何か思い出に残っていることは他にありますか?
5月にオンラインで企業の方にお話を聞いたんですけど、3団体に話を聞いたうち、森永製菓が一番おもしろかったです。日常的に食べているものなので自分も色々知っていると思っていたんですけど、食べ物を作るだけでなく、食べる子供たちへの教育や、原料を輸入している地域の子供たちにも支援をしていて、おやつから色々とつながっていることがわかりました。
-ちなみにSDGsでは何番のゴールに一番興味がありますか?
6番の「安全な水とトイレを世界中に」です。水は日常的にないと生きていけないものですし、家でも水が出しっぱなしになっていることがあるので、家族でも共有できたらいいなと思います。
-自分が知ったことをご家族にも広げていくのはよいことですよね。
-ここまで色々とお話をうかがってきましたが、何か感じることはありますか?
過去の体験を今の自分にきちんと繋げられているので、これからもそうしていきたいし、人として尊敬されるように行動していきたいな、と思います。
-Aさんのお話をうかがっているときっとそうなっていくだろうな、と感じます。
-では、まだ中1だけですけど、和洋生の後輩に向けてメッセージをお願いします。
中学は思春期で友人関係とか体の変化とか勉強とか色々と悩むことがあると思うんですけど、悩んだ分は無駄にならないから、悩んで悩んで結果を出して、毎年学年が上がるごとに頑張っていってほしいな、と思います。
-悩むことって決して悪いことではないんですよね。そこから何を学んでどう動いていくかが大切だと思います。
-では、最後に和洋九段を受験するかもしれない受験生に向けてメッセージをお願いします。
私自身は受験に向けて十分に勉強できなかったと思っているのでコメントしづらいんですけど、受験で身につけたことは中学でもたくさん出てきます。たくさんのことを知れるし、努力は無駄にならないので、今のうちにたくさん努力して受験に臨んでもらいたいなと思います。
-温かくも力強いメッセージですね。今回もすてきなお話をたくさんうかがうことができました。ありがとうございました。
【X先生からのAさんについてのコメント】
Aさんは明るくとても真面目で、何事にも努力を惜しみません。与えられた課題は、どんなに時間がかかっても途中で投げ出すことなく最後までやり遂げます。
クラスでは物事がスムーズに進むように気を配り、気持ちよくサッと手を挙げて引き受けてくれます。自分の意見をはっきりと述べることができ、リーダーシップを取れる人材だと思うので、今後の活躍を大いに期待しています。
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