-生徒の成長をインタビュー形式でお伝えするStories 第13回になります。今回は高1のHさんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
-今回は小学校生活の中で打ち込んでいたことから聞いていきたいと思います。
私の通っていた小学校では小4からクラブ活動があったんですけど、私はそのうちの2年間、ダンスクラブに入っていました。自分たちで曲も振りも決めて自由に踊る感じで、1年の最後に全校生徒の前で舞台に上がっての発表会があって、その時はすごいプレッシャーでした…。でも、自分の中ではうまくいったかな、と思っています。6年生の時は特にやりきった感が強かったです。
-6年生が4年生に教えるということもあったんですか?
はい、今のクラブと同じ感じで、6年生がクラブ長になって、一番上の先輩が色々と考えて下級生に教える感じでした。
-小学校の頃からそういうかそういう経験をしてきたんですね。Hさんはクラブ長にはならなかったんですか?
そうですね。みんなが立候補しているのを見ていました。引っ込み思案というわけではなかったんですけど、やりたい人が他にいるんならいいか、という感じでした(笑)。ただ、運動会でやる応援団だけは立候補していました。私の特技が「大声を出せる」ということだったので、それが一番活かせるのはやっぱり応援団だな、と思って全力で頑張りました。
-応援団での思い出はありますか?
応援団は5年生から参加できて、違う学年と一緒に活動して上級生が下級生に教える、という点ではクラブ活動と同じなんですけど、6年生中心に目立つようになっているわけではなくて、全員が同じように目立って、より横の関係になっていた感じがあります。
-なるほど。上下がどうしてできてしまっていたクラブも、よりフラットな関係性が作られていた応援団も経験して、違う二つの関係性をすでに経験しているですね。これから先、何か集団を作り上げていく上でこの経験は生きていくことでしょうね。
でも、このことに気づけたのは和洋でクラブ活動を経験してからなんです。私は英語部に入っているんですけど、小学校の時のダンスクラブと同じように先輩が考えてくれた振りを後輩たちに教えて、という形になっています。でも、踊る時にはじめから上級生が目立つようになって、一番下の学年が一番後ろ、となっているわけではなくて、全体的にバランスを取りながら作られているんです。そういうことを経験したからこそ、この気づきが生まれたのかな、と思います。
-過去の経験を今と結びつけて気づきに繋げられているのがすばらしいと思います。
-では次に、小学校の時どんな習いごとをしていたかを聞いてもいいですか?
小学校の時は水泳とそろばん、習字を習っていました。その中では習字が一番長続きして、全部で4年間くらい行っていました。字をきれいに書くという行為自体が好きで、今も学校の芸術は書道選択です。
-そうなんですね。塾にも行っていたんですか?
はい。塾には小4から通っていたんですけど、はじめは基礎的な勉強を教えてもらう感じで、本格的に受験勉強をしたのは小5の終わりあたりからだったと思います。
-そうだったんですか。基礎的な勉強から始まったのは何か理由があるんでしょうか。
元々私は受験をしよう!という強い思いがあって塾に通い始めたわけではなくて、学校生活を送っていく延長で、なりゆきで塾に通い始めたんです。2教科の勉強をずっと続けていたら受験までたどりついた感じで、親の影響が強かったんだと思います。ただ、受験の時期になると合格校が壁に貼られる塾だったので、途中からは「自分も受験するんだ」という思いが強くなっていって、受験校を選んだりしていました。
-なるほど。塾は楽しんでいけていたんですか?
はじめの頃は個別指導だったので友だちもいなくて楽しめなかったんですけど、グループ学習が始まって一緒に勉強する友だちが増えていってからは通うのが楽しくなりました。
-ともに学ぶ友だちがいるのはいいことですよね。
-和洋九段を受験することになったのはどういう経緯があったんですか?
はじめは塾の先生から勧めてもらって、文化祭を見学した時に校舎が綺麗だなと感じました。あと、入試対策勉強会に参加しました。算数では、周りの子たちと相談してみようという時間もあって、とても記憶に残っています。ちなみにその時に担当してくださった先生は今高1学年の担任になっています。
-よく覚えていましたね。話し合いを行った印象が強かったのかもしれませんね。
-では、中学に入学してからのことを聞いていきたいと思います。中学1年の時に何か思い出に残っていることはありますか?
やっぱり一番記憶に残っているのは体育祭で初めて見た扇の舞ですね。小学校の時は自分たちが楽しい、と思うダンスを踊ることがほとんどだったんですけど、扇の舞は、見る人を踊りの美しさで引きつけていて、寸分の狂いもなく踊っている姿を見て、小学校と中高ではレベルが全く違うんだな、というのを感じました。
-確かに初めて見た時には衝撃を受ける人が多いですよね。
あとは、中1の5月に行ったブリティッシュヒルズが記憶に残っています。中学校に入って初めての大きな行事で、クラスメイトと関係性を作っていく機会でしたし、英語に無縁だった私にとって、その時の体験はこれから英語を学んでいく大切さを感じる時間になりました。お菓子作りをしたんですけど、料理自体もハードルでしたし、英語で伝えないと先に進まないので友だちと協力して何とか乗り越えました。
-他にはありますか?
英語部の文化祭が思い出に残っています。とにかく先輩たちの踊りに圧倒されました。中1の時はオーディションに参加したもののやっぱりハードルが高くて、裏方を務めていました。小学校の時は裏方を生徒がするということがなかったので、自分が担当しているスポットライトがあるのとないのとでは華やかさが全く違って、裏方の大切さを感じることができて、とても楽しめました。
-裏方を経験できるということも大切なことなのでしょうね。
-では、中2の思い出はいかがでしょう?
小学校の時にもやったということもあって、体育祭で応援団になりました!中2からしかできないので立候補しました。
-5学年一緒に活動したのはどうでしたか?
知らない先輩もいて緊張したということもありましたけど、同じチームの中に英語部の先輩もいたので、それは安心できました。やっぱりレベルの差をとても感じて、苦戦したところもあったんですけど、毎日練習したので少しは近づけたかな、と思います。中学に入って初めて人前で何かをするという場でしたし、全校生徒と保護者の皆さんの前で踊るのはとても緊張しました。
-そうでした。今は夢みたいな話ですけど、保護者の皆さんもたくさん見学に来てくださっていましたよね。では、その時はHさんの保護者も見に来てくださったんですか?
はい。来てくれていました。頑張ったね、とは言ってもらえましたけど、恥ずかしかったので感想は聞けなかったです。
-年齢的にそういうのを聞くのが恥ずかしいな、という時期はあると思いますよ。
-他に中2で思い出に残っていることはありますか?
英語部で文化祭の時に役がもらえるようになったというのが思い出です。メインというわけではなかったですけどセリフも歌もあって、当然全部英語なので、練習中も常にドキドキしながら参加していました。あとは初めて後輩ができて、後輩にもかっこいいな、と思ってもらえるといいな、と思いながら、でも先輩にはまだまだかなわないので、もっと頑張らなきゃ、と思ったのも覚えています。
-Hさんにとって部活動がいいアクセントになっているんですね。
-では、中3の思い出に移ろうかと思うんですけど、中3はコロナですね…。
そうですね。コロナの影響で色々な行事が中止になったのがとても残念でした。後は初めてZoomで受ける授業だとか、オンライン文化祭だとか…。全部が全部不安でした。
学校で友だちに会えない時期にはよく電話をしていましたね。会えない分、お互いのことを知ることができないので…。相手の声を聞けたのは、毎日大きな不安がある中で、落ち着ける時間だったと思います。メールとは違って声でどういうトーンなのかもわかるし、ビデオ通話にすれば顔も見えるし、考えていることがよく伝わりました。
-授業の感想はどうでしたか?
私は、オンラインよりも学校に通って学べる方がいいな、と思いました。家は落ち着きすぎるし、周りに誘惑がたくさんあるので、100%集中できなかったです。
あとは学校で学ぶようになっても友だちと距離を取って過ごさなければならなくなったり、体育の授業でも手袋をしてやったりした時期もありました。
-色々と手探りで行っていたこともありましたね。
-高校になって1学期間が過ぎましたけど、どうですか?
6月に体育祭が行われたんですけど、ダンス係を任されたダンス部の子2人と仲が良かったということもあって、人手も足りなさそうだったし、私もダンス係になりました。
-実際にダンス係をやってみてどうでしたか?
教えるという体験が今までなかったので、どうしたら人に伝わるかな、というのが手探りでした。できるできないというのも人それぞれですし、誰に合わせるかというのもとても苦労しました。体育祭まで短い時間しかなかったですし…。
-どのようにして克服したんですか?
私のクラスにはダンス部がいたので、その子たちの教え方が良かったんだと思います。できない子には1人が教えて、他のクラスメイトには別のダンス係が教えて、という風に分担しながら乗り越えました。
ダンス部の子ができない子にどう教えているかを私も聞いて、少し吸収できたかなと思います。中学の時はまとめる立場になることはなかったので、そういう立場になってみて、受け身なだけでは務まらなくて、自分で考えて、周りの子たちの意見も聞きながらそれも付け加えてという風に、一つのことをやるんではなくて、全てを同時にやる、ということが必要なんだなと知ることができました。
-SDGsの達成の仕方とシンクロしましたね。何かを作り上げていく、多くの人で目標を達成していくためにはこういう考え方が必要なのかもしれませんね。Hさんが「人に伝える、教える」という経験を通して、今までとは違うステージに立っているのを感じています。
-では、これまでの経験を受けて、今後こういうことにチャレンジしたいなというものはありますか?
文化祭の学習発表展のリーダーになりました。なり手がいなかったから、というのもあるんですけど、みんなの力になれるならと思って、周りの仲のいい子も取り込んでいいなら、という条件付きで引き受けることになりました。先生からのアドバイスもあって、今ある歌の歌詞を古文に直して、MV(ミュージックビデオ)を作ろう、という企画を考えています。
-とてもおもしろそうですね。ぜひ見たいと思います。楽しみにしていますね。
-では、今までのインタビューを経て、自分の変化について何か感じていますか?
みんなを引っ張っていくということができるようになったのは変化だと思いますし、その経験を経て、小学生の時は表面的にしか見られていなかったのが、奥まで見られるようになったのが成長なのかなと思います。小学校の時も全体は見ていたと思うんですけど、相手の考えを取り入れてということは難しくて、深く考えることなく短絡的に自分の考えたことを元に発言していたと思うんです。でも、部活動での文化祭に向けた活動とか、体育祭でのダンス係を経験することを通して、周りの意見を聞き入れた上で、更に考えて、色々な視点から見てみて、更に細かく分析して見られるようになったのかなと思います。
-とても深く考えていることがよくわかりました。ありがとうございます。
-では最後に、和洋の後輩と受験生に向けてメッセージをお願いします。
和洋生に向けては、自分が何かやった後、「もっと力を出していたら別の結果になっていたかも!」と思うことがあるかもしれないけど、一回一回の経験はその時しかできなくて、後戻りしたくてもできないことなので、今を大切に、一日一日を全力で過ごしてほしいです。
受験生には、受験校選びをする時に、この学校に入ったらこんなことがしたい、と思える学校を選んでほしいなと思います。今、大学受験のことを考え始めていて、中学受験の時もしっかり考えておければもっと将来に向けて良くなっていくかな、と思ってこのメッセージを送りたいです。自分の意見を大切に、目標に向けて全力で頑張ってほしいです。
-素敵なお話をたくさん聞くことができました。ありがとうございました!
【X先生からのHさんについてのコメント】
明るく朗らかで、友人からの信頼が厚いです。ダンスや英語をはじめとして何事にも積極的に取り組んでいますが、周りの状況や雰囲気を汲み取り、様々な行事の代表や係の仕事を引き受けてくれる責任感も持ち合わせています。今後、更に視野を広げ、経験を積んでいくことで、学年全体を引っ張ってくれる生徒になってくれるのではないか、と大いに期待しています!
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