Stories
-生徒の成長をインタビュー形式でお伝えするStories。今回は区切りの20回目になります。中3のRさんからお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
-でははじめに、小学生の頃Rさんはどんな子でしたか?
どちらかというとあまり積極的な方ではなくて、前に出るのは好きではなかったです。毎日友だちと過ごすのが楽しい学校生活でした。
-何か思い出に残っていることはありますか?
私の住んでいる地域は、小学校対抗のスポーツ大会があって、陸上競技以外になわとび部門がありました。複数のメンバーが1人ずつ5分間なわとびを跳び続けて、5分間引っかからずに跳べた人の割合で競うんです。学校ごとに跳ぶ人数は違って、私の通っていた学校は人数が少なかったので、一人の比重が高くて負担が大きかったんです。自分が足を引っ張るわけにはいかない、と毎回思っていましたし、余計なことは考える暇もないほど熱が入っていました。体育の先生じゃなくても本気で取り組んでいました。
-結構練習したんですか?
そうですね。朝、昼、放課後と2学期はずっと練習していました。5、6年生全員が参加するので、その時期はそれだけに集中していた感じでした。いつも同じ学校が優勝していたんですけど、私が小6の時に地区で優勝できて、その時は先生たちも泣いていて、頑張ってよかったな、と思いました。
-皆で一致団結している感じが伝わってきますね。
ただ、ずっとそれに集中していたので、終わった時は解放された感じが大きかったです。小6では、私はその大会が終わると受験にまっしぐらでした。
-中学受験をする人は多かったんですか?
いえ。クラスで2人しかいませんでした。とても少なかったと思います。
-そんな中で中学受験をしようと思ったのはなぜですか?
私は恥ずかしがり屋でコミュニケーションを取るのが小さい頃から苦手だったので、それを変えるために3歳の頃から英会話を習っていました。せっかくなのでそれを伸ばせる学校に行きたいなと思っていたんですけど、公立だといつもネイティブの先生と話すという機会は取れないので、私立の英語に力を入れている学校に行きたいと思うようになりました。ただ、母の話だと幼い頃は先生の話を聞くより友だちと話しに行っている感じだったそうですが…(笑)。
-コミュニケーションが取れるように、という目的は達成できていたわけですね(笑)。
-英語を学んでいるな、と実感できたのはどれくらいからですか?
中学に入ってからかな、と思います。小学校の頃は発音なんかも難しくてちょっといやだと感じる時期もあったんですけど、中学に入ってネイティブの先生とずっと一緒に過ごしているうちに、気づいたら「あれ?わかるかも…。」となっていたように感じます。
-「わかるかも」と思い始めたのはどれくらいですか?
中1の6月か7月だったような気がします。耳は小さい頃から聴き続けていたのが役に立っていると思いますけど、文章を読んだり、文法的なこともすらすらと理解ができるようになっていきました。
-そうなんですか。日々の勉強もずいぶん頑張ったのではないですか?
文法的なことを習うのも、説明文が全部英語なので大変です。予習でかなり勉強して授業に臨んでいます。
-すごいですね。モチベーションはどんなふうに保っているんですか?
私は「勉強のために」と思うとダメなタイプで、自分にご褒美を作ってあげて、それを楽しみにして頑張っています。
-何がご褒美なんですか?
ディズニーとかアイドルとかも好きですけど、親の影響でプロレスが好きなので、それを見に行くのを楽しみにして頑張っています。
-お~、私も小中の頃プロレスにかなり熱中しましたけど、女子校生でプロレス好きというのは珍しいですね。どんなところに惹かれるんですか?
やられてもやられても立ち上がる姿に心打たれますし、すごくかっこいいです。いつも全力で取り組んでいて、自分もあんなふうに全力で取り組めるといいな、と思います。
-いつ頃から見に行っているんですか?
物心ついた頃には行っていたと思います。自分では覚えていないんですけど、リキプロというところの道場イベントでリングの上で遊んだのが2歳だったそうです。
-そんな幼い頃から行っていたんですか。すごいですね。
-今でも会場によく行くんですか?
はい。よく行きます。今は一眼レフのカメラを持っていって写真をたくさん撮っています。
-写真も撮っているんですか。本格的ですね。
-お客さんの中でも女子校生は珍しいんじゃないですか?
結構若い人もいて、子どもが来ているのを見かけると、「この子も連れてこられているんだろうな」と思いながら見ています。会場の熱気がとにかくすごくて、以前は大声で応援する選手の名前を呼んでいる人がたくさんいましたし、今はコロナでそれが拍手に変わりましたけど、いい試合だと応援にも熱が入って、会場の一体感を感じることができます。
-そうなんですね。会場の熱気がこちらにも伝わってくるようです。
-では、次に和洋九段を志望校に入れた理由を聞いていきたいと思います。
私は都心からちょっと離れたところに住んでいるので、自分1人で都内に電車で通うのは心配でした。そのため、親の職場に近い学校の中から、英語教育に強いところを選びました。
-そうなんですね。和洋九段のイベントには参加しましたか?
はい。入試対策勉強会に参加しました。受験は英語ではなかったので、国算の勉強会に参加しました。小学校には講堂がなかったので講堂の存在自体を知らなくて、初めて講堂に入った時はすごく驚きました。
-一般的には体育館に舞台があって、パイプ椅子を並べて、ということが多いですよね。
-では次に、和洋に入学した後のことを聞いていきたいと思います。
-中1で思い出に残っていることはありますか?
はい、入学してすぐ行ったブリティッシュヒルズが思い出に残っています。英語には触れていたものの、どうにもこうにもうまくいかなくて、英語の力が十分ではないなと実感しました。クラスの子とは仲良くなっていて、その中に英語が得意な子もいたので、一緒に活動していました。お菓子作りでスコーンを作ったんですけど、説明も全部英語だったので大変でした。でも、周りの友だちに聞きながらやって最終的においしく作れました。施設全体がハリーポッターの世界みたいで楽しかったです。
-マントみたいのも着たんですか?
いえ。友だちは着てたんですけど自分はその時なぜか着なかったんです。今考えると、着ておけばよかったな、と思います。
-他に思い出はありますか?
私は中1から写真部に入っているんですけど、夏に行った研修旅行が思い出です。
-先程プロレス会場にもカメラを持っていっていると言っていましたよね。なぜ写真部を選んだんですか?
実は私はディズニーのキャストになるのが夢なんです。小さい頃から英語を習っていたので外国の方の案内もできるな、次はお客さんに写真を頼まれるかもしれないから写真部に入ろう、という流れでした。1人で活動場所に初めて行った時にはとても緊張したんですけど、顧問の先生とかコーチが温かく迎えてくれてホッとしました。
-どんな活動をしているんですか?
普段は写真以外のことも色々教えてもらえて、コーチとか先生から勉強を教わることもあります。一番緊張するのが白黒写真を現像する時です。暗室でフィルムを現像するんですけど、行程がかなりたくさんあって、暗室の中でフィルムを取り出してはさみで切って、黒い筒に入れるまで真っ暗な中で一気にやらないといけないんです。言葉では伝わりにくいと思うんですけど、手で覚えていく感じです。液につける秒数で色合いが変わってしまいますし、最後にプリントする時、引き伸ばし機のピントを合わせるのも大切です。
-いつもM棟の階段に飾られている写真を見ているんですけど、たくさんの作業を経てあの写真ができているんですね。感心しました。
-どんな写真を撮るのが好きなんですか?
私は電車の写真を撮るのが一番好きで、鉄道を撮った写真で賞を取れた時はとても嬉しかったです。
-先程話題に出たクラブでの研修旅行でも写真をたくさん撮ったんですよね?
はい。その時は伊豆に旅行に行ったんですけど、初めてフィルムカメラを買って持って行ったんです。はじめは慣れていないのでとまどってしまって大変でしたけど、2日目からは使えるようになりました。
-何か思い出に残っている一枚はありますか?
木々の間から見えた海を写した写真が景色として一番よかったので印象に残っています。今、M棟の階段に飾られています。
-ぜひ来校された方に見てもらいたいですね。
-中2ではコロナの影響が大きかったですけど、どうでしたか?
かなりオンライン授業の期間が長くて、企業に訪問するはずだったのもオンラインになってしまったのが残念でした。日本郵便局の方からお話を聞けたんですけどSDGsとはあまり関わっていなさそうと思っていたのに色々なことに取り組んでいるということを知れました。
-今年は中学最高学年になりましたけど、どうですか?
中2の始まりがオンラインだったせいか「中3だ」とか「先輩になった」という実感があまりわいていません。写真部に後輩がいないというのも理由だと思うんですけど、何か先輩感がないというか…。3年目ですけど一番下なので、先輩というよりはまだ後輩という感じです。
-写真部に後輩が入ってきてくれるといいですね。
-ここまで色々と振り返ってみていかがですか?
やっぱり英語は続けていきたいなと思います。中2の時に担任の英語の先生から「Rさんは実力があるから」と言われて英検のダブル受験をしました。そのように言われたことがとても嬉しかったです。あと、検定を受けた後、普段使っている参考書と見比べてみたんですけど、使われている単語があまり載っていないな、と思って別のおすすめの参考書を先生に聞いて、それを自分で進めています。今は2級を取るために頑張っています。
-分析して計画的に勉強できているんですね。すばらしいと思います。
-では最後に後輩に向けて、そして和洋九段を受験するかもしれない受験生に向けてメッセージをお願いします。
後輩に向けては、大きい目標も大切だけど、目の前にある目標を一つずつこなしていってほしいなと思います。受験生には、毎日勉強大変だと思うけど、息抜きをうまくしてリフレッシュしながら頑張ってほしいです。
あと、写真部にぜひ入部してくれると嬉しいです。お待ちしています!(笑)
-これを見てくれた方が写真部に入部してくれるといいですね。
-個人的にはプロレスの話が一番のツボでした。楽しいお話をありがとうございました!
【X先生からのRさんについてのコメント】
Rさんはとても真面目で、自分の意志を強く持ち、目標に向かって着実に努力できます。スキマ時間をうまく使って、効率よく学習できています。また、独学で英語以外の学習にも取り組むなど向上心を持っています。
周囲のことにもよく気が付きますし、さりげなく相手の立場になって考えられるので、級友からも頼られており、とても責任感が強いです。