Stories
-生徒の成長をインタビュー形式でお伝えするStories 第22回になります。今回は中学1年のSさんにお話を聞いていきたいと思います。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
-今回もSさんが小学校時代に一番思い出に残っていることから聞いてみたいと思います。
いくつかあるんですけど、一番思い出に残っているのは小学校で毎年行われるお祭りです。クラスごとにお店を出して、皆でまわりながら楽しむというもので、私たちのクラスはブンブンごまの作り方を教えたり、編み込み細工でコースターを作って配ったりしました。お祭りの当日は授業がなくて、午前中だけだったんですけどいつもとは違った感じがとても好きでした。
-「非日常」って独特の雰囲気がありますよね。他にはありますか?
5年生の時はまだ新型コロナの影響がなかったので、移動教室で伊豆高原に行きました。初めて親と離れて2泊3日の間、友だちと一緒に温泉に入ったりみかん狩りをしたり、キャンプファイヤーをしたり、本当に楽しい時間でした。
-ご家族から離れて生活するというのは意外に少ないですからね。
あとは運動会です。毎年リレーに出る選手の選抜があるんですけど、50メートル走の早い順に選ばれるんです。1年生から4年生までずっと選抜に選ばれていました。
-Sさんは運動神経がよいんですね。
周りからはよく言われます(笑)。ただ、5年生の時は50メートル走でくつが脱げてしまって…。もう一度タイムを計らせてもらったんですけど体力がなくてタイムが伸びずダメでした。その年は応援に回ったんですけど、これも楽しかったです。
-そうなんですね。どんな場面でも楽しめるのが良いと思います。リレー選抜になる中で何か思い出はありますか?
2年生の時の選抜で仲のよい友だちと走ることになって、私が抜いた時にすごく会場が盛り上がっていたそうです。走っている時は全く気づかなかったんですけど、家に帰って父からそう伝えられた時はとても嬉しかったです。
-確かに、走っている瞬間はそれだけに集中していて、周りの音が入ってこないことがあります。和洋でも運動部に入っているそうですね。
はい。バスケットボール部に入っています。父から借りて読んだ「スラムダンク」に感動して、バスケットボールをやりたいな、と思って入部しました。
-活躍できるといいですね。Sさんのお話には頻繁にご家族の話が出てきますが、仲がいいんですか。
弟とは毎日のようにささいなことでケンカしています(笑)。たたんだ洗濯物を片付けないみたいな小さなことなので、全く引きずることはないですけど。
-Sさんは家でどんな役割を担っているんですか?
お皿洗いをしたり洗濯を干したりたたんだりしています。親から「いつも助かっているよ、ありがとう」と言われると嬉しいな、と思います。
-お手伝いをするようになったきっかけは何かあったんですか?
うちは両親が働いているので、祖父が家に来てくれています。ただ足腰が強くないので、私ができるところは手伝っています。
-そうなんですね。家でも大事な役割を担っていて、すばらしいと思います。
-これから先、どんなことをしていきたいですか?
お風呂掃除とか、トイレ掃除とかも手伝いたいなと思います。毎日使うところなのでこまめに掃除した方がよいかなと思って。
-偉いですね。無理をしすぎないようにしつつ、家の役に立てるといいですね。
あとは弟が二人いるので、弟同士のケンカの仲裁に入ったり、たまにケンカに混じったり(笑)。下の弟は小さいので、面倒を見ることも多いです。
-家のことを本当によく頑張っていますね。
-小学校の時の話しに戻りますが、日々の学校生活で頑張っていたことはありますか?
小学校では小テストが行われることが多くて、80点以上取ることを目標にしていました。あとは字をきれいに書こうと心に決めていたんですけど、書く時にはついつい忘れて雑になってしまっていました…。
-書道とか硬筆の書き方教室などに通っていたんですか?
いえ、小2の後半までプールと公文に通っていただけです。小3からはずっと塾でした。
-ずいぶん長く塾に通っていたんですね。
はい。小3からは塾が中心の生活で、小学校は休憩みたいな感じでした。夏期講習では9時間勉強漬けで、本当に疲れていた記憶があります。
-塾に通うことになったきっかけは何かあったんですか?
はい。小学校低学年で動物が好きになって、獣医になりたい、という夢を持ちました。そのためには中高でしっかり学べるところに通えるのがいいね、ということになり、私立中学を目指すことになって塾に通い始めることになりました。
ちなみに小1の誕生日に買ってもらったプードルのモコが私にとっての癒やしの存在で、モコがいなきゃ生きていけない!というくらい大切な存在になっています。食べている姿も散歩している時に歩いている姿も全てがかわいくて、見ていて嬉しくなります。
-動物に対する愛情が夢に繋がっていったんですね。
-和洋九段を受験したのはどういう流れからだったんですか?
私が和洋九段を受けたのは2月10日、到達度確認テストでした。中学は小学校と関係が変わらない地元の公立に行くのではなく新しい関係を作りたいなと思っていました。
ギリギリになって候補に入って見学をしたんですけど、校舎に入った時にすごくきれいで、すぐに気に入りました。帰りにA軸問題集をもらって帰って、家に帰ってから必死にやり続けました。
その時は心が折れかけていたんですけど、試験まで父だけでなく叔父にも協力してもらって、励ましの言葉をもらいながら頑張ることができました。年子の弟が出してくれた問題が当日出て、びっくりしました!
-弟さんはラッキーボーイ的な存在なんですね。恩返しが必要ですね。
今は弟が受験勉強をしているので、私はクイズ形式で問題を出してあげたりしています。
-すばらしい。ご家族で支え合っているのがよくわかりますね。
-では、和洋九段に入学した後のことを聞いていきましょうか。
今の生活が本当に充実していて、毎日が楽しいです。入学式が始まる前に教室に行った時はみんなが緊張していて、クラスがシーンとしていたんですけど、あっという間に仲良くなりました。
はじめにクラスの交流会を行った時、自己紹介カードを渡し合いながらお話をする時間があって、その時はできるだけ明るい印象を持ってもらえるように笑顔で話しかけようと心がけました。みんなと仲よくしたいと思っていましたし、周りの子にも積極的に話しかけるようになりました。
小学校の時は数人の仲良しのことしか行動しませんでしたし、男子もいたので周りに話しかけづらい雰囲気がありました。でも、今は女子しかいないので、女子にしか言えないことも相談しやすいですし、たくさんの人と話せるようになって小学校の時より断然楽しいです。
今考えると、小学校の時なんでもっと積極的にならなかったんだろう、と思います。
-狭い人間関係から、少し広い人間関係に変化していったんですね。それが今の生活の充実の元になっているかもしれませんね。
はい。クラスの子は明るくてノリがよくて、仲良しです。誰かが「これやろうよ」と呼びかけると「やろう!やろう!」という雰囲気があります。
-誰かの呼びかけでクラス全体で動いたというエピソードはありますか?
担任の先生の誕生日にサプライズパーティーを企画しました。学年主任の先生に協力してもらって、職員室に引き留めてもらい、SHRの前にホワイトボードいっぱいにみんなでお祝いのメッセージを書きました。
-サプライズの結果はどうだったんですか?
その場ではどうだったか覚えていないんですけど、職員室に戻ってから担任の先生が涙ぐんでいたというお話を後から聞いて、喜んでもらえたのが嬉しかったです。
-担任の先生はどんな方ですか?
やさしくてとても話しかけやすいですし、何でも相談に乗ってくれます。最近は文化祭のこととか中1、2で行うドッジボール大会の司会の台本のこととかを相談しました。
-学年をまとめる役割もしていたようですけど、どんなことをしたんですか?
今は学級委員をしているんですけど、前半は運動が好きということもあって体育委員をしていました。6月に体育祭があって忙しいという話は聞いていたのですが、やりがいがありそうだな、と思って立候補しました。
-具体的にはどんなことをしたんですか?
中1が踊るダンスの入場曲や退場曲を選んだり、クラスの練習、学年全体の練習をまとめる役割です。クラスの練習では振り付けが合っているか、息が合っているかなどを見て頑張れたんですけど、学年全体となると人数も多くて体育委員8人でまとめるのはとても大変でした。でも、大変な分、成功したら嬉しいかなと思って頑張りました。手の位置とか歩き方、手の振り付けなども工夫していって、よりよくなるように進めていきました。
-まとめていく上で気をつけていたことはありますか?
はい。100名以上の生徒でダンスの動きを揃えたいという時に、思いが出過ぎて言葉が強くならないように気をつけていました。
-確かに多くの人に伝える時には語気が強くなりがちですよね。
-気持ちをコントロールする秘訣があるんですか?
はい。父や母の影響が大きいと思います。家でよく仕事のことを話してくれるんですけど、色々な人と話す中で自分がカッとなっても気持ちを抑えて伝えた方がよい方向に進むということを教えてもらっていたので、それを意識しているのだと思います。
-すばらしいですね。私が中1の時は、そんなことを考えたこともありませんでした。
-体育祭に向けた取り組みが活かされているな、と感じる場面はありますか?
2学期の途中からは学級委員になりました。クラスのまとめ役になるので、体育委員の時に学んだまとめ方や伝え方の工夫が活かせているのではないかと思います。
-今度はクラスに向けて力が発揮されていくわけですね。頼もしいです。
-これからの学校生活で頑張っていきたいことはありますか?
学級委員としてクラスをまとめられるように頑張っていきたいです。もう1人の学級委員は1学期からの引き続きなので、わからないことは色々と聞いていきたいと思います。
あとは、もう少ししたら後輩が入学してくるので、後輩によい印象を持ってもらえる先輩になりたいな、と思います。
-どんな先輩になりたいですか?
明るくて優しい先輩になりたいです。でもメリハリを付けて、いけないことはきちんと注意できる存在になれたらいいなと思います。
-心から通じ合える先輩後輩の関係ってすてきですよね。よい先輩になれるよう頑張ってください。
-では最後に、来年度以降Sさんの後輩になるかもしれない受験生に向けてメッセージをお願いします。
今は勉強ですごく苦しいと思うんですけど、苦しいのは今だけ。小6の皆さんはあと2か月です。今は苦しいけど頑張って、合格を得てほしいです。受験が終わって中学に入ったら言葉に表せないくらいの自由、違う世界観の生活が待っています!
-Sさんの中学校生活、そして家庭での生活がとても充実したものであることが伝わってきたインタビューでした。これからも頑張ってくださいね。ありがとうございました!
【X先生からのSさんについてのコメント】
Sさんは責任感が強く、最後までやり抜く力があります。友人からの信頼がとても厚く、学年で一番と言ってもよいほど気が利く生徒です。1学期は体育委員としてクラスだけでなく学年全体をまとめるために積極的に活動し、2学期は学級委員に選ばれ、クラス全体を把握して的確に指示を出し、クラスをまとめてくれています。学校生活をとても楽しんでいるようです。まわりを見渡せる余裕や前向きな姿勢を含め、今後の活躍が楽しみです。