Stories
-生徒の成長をインタビュー形式でお伝えするStoriesの第25回になります。今回は高1のMさんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
-ではお話を聞いていきましょう。Mさんは小学校時代、どんな子だったですか。
結構明るいと言われることが多かったですけど、人前で手をあげたりすることは得意ではなかったです。運動が好きで、クラスのみんなとも仲が良かったので、放課後は近くの公園に行って鬼ごっこをしたりサッカーをしたりして過ごしていました。
-活発だったんですね。小学校時代のことで思い出になっていることはありますか?
通っていた小学校の伝統で、小6が小5にカギを受け継ぐというものがありました。小5までは見る側から憧れを持って見ていた儀式を、小6の後期に代表委員をしていたため、受け渡す役割を務めました。普段できないことを体験できて、とても印象に残っています。
-そうなんですね。代々引き継がれていたそのカギは何を象徴していたのでしょう?
う~ん…。考えたことなかったですけど、最高学年の扉を開ける、みたいな感じだったのかな。
-すてきなフレーズですね。確かに小学6年生になると色々なことを任されて、学校の中心になっていきますからね。
-他に何か印象に残っていることはありますか?
小学校では毎年発表会が行われていて、合唱と合奏を2日間で2回ずつ行っていました。リコーダーとか鍵盤ハーモニカを担当する人が多かったんですけど、幼稚園の頃からピアノを習っていたということもあって、キーボードを担当させてもらうことが多かったんです。キーボードとか木琴とかはオーディションがあって選ばれた人しかできないので、家やピアノ教室でたくさん練習しました。
-そういう舞台に立つのはどんな気分なんですか?
緊張はするんですけどすごく楽しみでもあります。私は皆で音を合わせるのが好きです。皆できれいな音が出せるのもいいですし、お客さんが見てくれて、拍手をしてくれると自分たちの思いを受け止めてくれた、という感じがしてとても嬉しいです。
-先程ピアノを習っているというお話でしたが、長く続けていたんですか?
はい。幼稚園の年中から中1の初めまで習っていました。1対1で教えてもらえる教室だったので、自分のペースで続けられたというのと、自分が弾けるようになりたい曲を選べて、それもよかったです。幼稚園の劇でやった「オズの魔法使い」の「オーバーザレインボー」という曲が思い出に残っています。
-自由に選べるというのがいいですね。
-話は変わりますが、Mさんが中学受験をしようと決めたのはなぜですか?
3つ上の兄も私立に通っていて、その生活を見ていて「いいな」と思ったのがきっかけです。勉強がそんなに好きではなかったので、ガッツリ受験勉強という訳ではなかったですけど、小学校の友だちと、地元の塾に通いながら勉強をしていました。
-和洋九段を受験しようと考えたのはどのような流れからだったんですか?
塾の先生が勧めてくれて、見学に来た時、カフェテリアとかプールとか校舎がきれいで、いいな、と思いました。
-校舎がきれいという感想はたくさんの方からいただけるんですよね。ありがとうございます。
-では次に、入学後のことを聞いていきたいと思います。中学で思い出に残っていることは何かありますか?
中1でブリティッシュヒルズに行ったのが思い出に残っています。ハリーポッターの世界みたいな感じで、部屋もきれいで、すごく楽しかったです。英語でゲームのミッションをしたり、夜、ネイティブのスタッフの方とカードゲームをしたり…。英語は苦手だったんですけど、普段の授業とは違って、文法を気にしないで身振り手振りも使って頑張って伝えようとしました(笑)。伝わったときは楽しかったですし、少しだけ距離が近づいたかな、と思いました。
-自分で何かにチャレンジして「できた」喜びがあったんでしょうね。
-他にはありますか?
中2の終わりから中3はコロナで、毎日登校できたのは2学期だけだったんですけど、そんな中でもオンライン文化祭が行われて、撮影のお手伝いをしたり、作品づくりを手伝ったりと色々なことにチャレンジできたのがよかったです。
-制限がある中で楽しみを見付けられたんですね。どんな内容だったんですか?
お客さんが入る文化祭だと来てくださった方が楽しんでくれるものを作ると思うんですけど、オンラインなので「見て楽しめるもの」にしようとしていました。
1人1人の手のひらに絵の具を付けて大きな絵を描いたり、1人1人がニコちゃんマークをオリジナルで書いて、そのバラバラのニコちゃんマークを並べていって全体で一つのニコちゃんマークになるようなものを作ったり、ちぎり絵をしたり、色々やりました。
-皆で一つの作品を作り上げているという感じがしますね。
-コロナ禍でどのような毎日を過ごしていたんですか?
電車で往復する時間がなかった分、趣味の料理に時間を使っていました。
-時間をかけてどんな料理を作ったのでしょう?
時間がたくさんあったので、パスタやパン、ピザなどを生地から作っていました。
-すごいですね。成功しましたか?
パンやピザは比較的簡単にできたんですけど、パスタは製麺機があったわけではないので何回も失敗してしまいました。でも最終的には完璧とまではいかないですけど、おいしいな、というレベルまでにはなりました。
-料理歴は長いんですか?
幼稚園の頃から料理を作るのが好きでした。年中の頃には卵焼きをよく作っていました(笑)。
-料理の魅力ってどんなところにあると思いますか?
私は料理をしているとストレス発散になります。作っている時はこうしよう、ああしようと色々考えるので実験みたいで楽しいですし、二度と同じものは作れないかも、という中で今ある食材で色々作るのも好きですし、野菜を切るのも楽しいですし、新しいものを発見できる喜びもあります。
-本当に好きなのが伝わってきますね。
コロナの影響でお菓子や料理を作ることはできていないんですけど、今年から家庭部に入っているんです。文化祭に向けてそれぞれが作りたいものを考えて制作して、私はマフラーを編みました。かなり大変だったんですけどできあがった時は達成感がありました。ちなみに今は先輩が作ったウエディングドレスが飾られているショーケースに私のマフラーも飾られています。3学期は刺繍にもチャレンジしたいな、と考えています。
-そうなんですか。ショーケースの中を後で見てみますね!
(後日確認したところ、紺色で温かそうなすてきなマフラーが飾られていました!)
-では、高校に入学してからのことに話が移ってきたので詳しく聞いていきたいと思います。高校生になって8か月が経ちましたけど、何が印象に残っていますか?
11月に行った研修旅行がとても楽しかったです。中1でブリティッシュヒルズに行って以来、3年ぶりの旅行でした。行く前は旅行先の方に感染させないようにと心配していましたし、野生の動物がたくさんいたら怖いな、とも思っていました。でも、予定を立てたりグループを組んだりしているうちにだんだんと楽しみになってきて、近くなったら「あと○日だ」とカウントダウンもするくらい楽しみにしていました。
-実際に行ってみていかがでしたか?
民泊ができないなどの制限はありましたけど、普段はできない農業体験をしてとても楽しかったですし、地域の方がすごくやさしくてよい経験になりました。
-お世話になったご家庭では、どんな体験をしたんですか?
さといもをほぐす作業とか花豆の選別とか、色々体験しました。あとは、地元の食材であるヤーコンのきんぴら、野沢菜、花豆、暖炉の上で焼いたさつまいも…。全部ご家庭で採れたものなんですけど、たくさんのものをふるまってもらって、ホテルでの夕飯が食べきれないくらいおなかいっぱいになりました。
-うらやましいです(笑)。
-ホテルでディスカッションもしましたよね。
はい。私たちの班は高齢化問題の解消についてプランを考えました。古民家風の宿泊施設を作って、農業体験をしながら自分たちで取ったものを食べられて、囲炉裏を囲んで地元の方と交流できるスペースを作って農業や田舎での生活を身近に感じてもらうという提案をしました。それをきっかけにしてその地域に興味を持ってくれて移住してくれれば、後継者問題の解消にも繋がりますし、外国の方や都会に住んでいる人にとって楽しい体験ができる場所を作るのがいいのではないかと思って提案しました。
-囲炉裏のそばで地元の方と交流できるなんて癒されそうですね。とてもすてきな提案だと思います。地元の方も見てくださっていましたけど、どのようなフィードバックをいただいたんですか?
実際にホテルの建設を考えているそうで、参考にしたいと言ってくださいました。別の方は地域の方とふれあうのは「繋がり」を作る上で大切だよね、とおっしゃってくださいました。
-皆さんの提案が地域の活性化に繋がるといいですね。
-他に高校生になって印象に残っていることはありますか?
今年もオンライン文化祭になってしまったんですけど、去年に比べて自分たちでやれることが多くなって中3の時より楽しくできました。去年より自分たちでできることの幅が広くなったというか、自分たちで「こういうことをやりたいね!」というのが出せて、よりオリジナリティが出てきたと思います。
-どんなことをしたんですか?
先生たちにも協力をしてもらいながら他の先生にドッキリをしかける!というものだったんですけど、先生たちも協力してくれて、生徒のみんなとも先生とも距離が近くなったなと感じています。結構失敗もしましたし、研修旅行から帰ってきて文化祭までの期間も短かったのでとても大変でしたけど、ギリギリで完成しました。私はリーダーではなかったですけど考えたり提案したり、撮影したり編集したり…。みんなで協力して取り組むことができてよかったです。
-来年は中心学年となりますけど、目標はありますか?
来年もオンラインになるか対面でできるかわかりませんけど、来年はもう少し余裕を持って取り組んで、大がかりなことをしてきたいです。
-いいですね。ぜひダイナミックな作品を作ってください。
-Mさんは将来の夢ってあるんですか?
まだ具体的な仕事が決まっているわけではないんですけど、やはり「食」に関わるような仕事に就きたいな、と考えています。いつかは自分のお店も持てるといいな、と思っていて、ピザとかデザートとか、ご飯系とか、色々な食事を出したいです。
-色々なメニューにチャレンジしているとのことですから、今後オリジナルのメニューも考案できそうですね。開店することになったらぜひ教えてください!
-では和洋生の後輩に向けてメッセージをお願いします。
高校生になると進路のことや勉強のことなどたくさん考える機会が出てきます。私もやっていけるか不安がありました。でも、先生たちが相談に乗ってくれますし、親身になってアドバイスもくれます。自分1人で悩むことではないので、安心して日々の勉強を頑張ってください。
-では最後に、後輩になるかもしれない受験生に向けてメッセージをお願いします。
今は大変な時だと思いますけど、和洋はのんびりして穏やかな感じなので、楽しい学校生活が送れると思います。楽しい中高生活を送ることを目標に、体調に気をつけながら今の勉強を頑張ってください。
-Mさんが穏やかに、そして伸び伸びと学校生活を送っている様子がとても伝わってきました。すてきなお話を聞かせてくださり、ありがとうございました!
【X先生からのMさんについてのコメント】
穏やかな性格で礼儀正しく、何事にも一生懸命取り組む「和洋生」らしい生徒です。
今学期は研修旅行で実施したディスカッションや文化祭でのクラス発表など、行事においても中心となって活躍してくれました。
中1の頃と比べてとてもたくましくなりました。今後も持ち前の明るさを活かし、学校生活を通してどんどん成長していってもらいたいです。