Menu

Stories

Vol.55 高2 Mさん

-インタビューを通して和洋生の成長をお伝えするStoriesの55回目。今回は高2のMさんからお話をうかがいたいと思います。よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

-では、早速インタビューに入っていきましょう。Mさんは小さい頃どんな子でしたか?

親の隣にいて、皆と一緒にワイワイするタイプではなかったです。小学校では1回も手をあげたことがないし、意見も言わないし、委員会決めでも他の人とかぶりたくないのでいつもあまりものを担当していました。争いごとが嫌いなのでじゃんけんや話し合いも苦手で、仲の良い2~3人で集まって話をしているタイプでした。

-もめるのが好きではなかったんですね。
-何をするのが好きでしたか?

3歳から習っているエレクトーンを弾くのが好きでした。今は先生と1対1で自分が弾きたい曲を教わっているんですけど、最初は7~8人で一緒に習っていました。中学受験の時期に皆やめていってしまって、私もその時は少しお休みをしたんですけど、エレクトーンを弾いている時は楽しいなと感じいてたので、受験が終わった後に再開しました。

-今も習っているんですね。

はい。エレクトーン検定というのがあって、もう少しで先生になれる級に挑戦できそうです。でも検定用にしっかり練習する必要があって今は勉強に集中しなければならないので、受けるのはもう少し先になりそうです。せっかく長く続けてきたので上の級を目指して頑張ってみようと思います。

-長く続けていって、そこまでのレベルになっているのですね。すばらしいです。
-今はどんな曲を練習しているんですか?

今はディズニーメドレーの練習をしています。

-将来的にエレクトーンの先生になる予定はあるんですか?

いえ、エレクトーンは気軽に弾きたい時に弾けるようになるといいなと思います。弾いていると気が休まりますし。

-そういう趣味があるのは素敵ですね。
-エレクトーンはピアノとどう違うんですか?

エレクトーンは足にも演奏するためのペダルがあって、右手と左手と足で演奏します。私がエレクトーンを習っているとうっかり言ってしまったために中学の合唱コンクールで伴奏をしてくれないかと頼まれてしまい、大変でした。エレクトーンは軽く押すだけでも音が出ますけどピアノは弾く強さによって強弱がつきます。違いが色々あるので弾けるようになるのは大変でした。

-エレクトーンの魅力はどんなところですか?

色々な音やリズムが出るところです。あと、足もいっぱい動きますし、普通に弾いているところを見ているだけでも楽しいと思います。

-お気に入りの一曲はあるんですか?

映画の「カリブの海賊」に出てくる曲のメドレーが好きです。ディズニーメドレーだと曲調がほぼ一緒ですけど、行進の曲だったり戦いの場面の曲だったり波が静かなところの曲だったりと場面ごとに全く違ったパターンの曲があって、エレクトーンだと爆弾の音も効果音として出せるので、自分がキャラクターになりきった感じで時には強く、時には弱く弾くことができます。

-エレクトーンで強弱というのはどう出すんですか?

指を鍵盤においてから強く押すと音が大きくなるんです。音の広がり方というか、どれくらい大きくなるかも調整ができますし、家にあるのは古いものですけど教室に行くと最新式のエレクトーンがあって、色々な機能があって弾いていると本当に楽しいです。

-そうなんですね。
-Mさんにとってエレクトーンとは?

「ともだち」だと思います。小さい頃からずっと一緒で、受験の時も弾きたくなったら弾いて楽しい気分になれました。ずっとそばにいる存在なので、なくなってしまうのがこわいです。

-素敵な存在ですね。大人になっても一緒にいるのでしょう。
-エレクトーン以外にも習いごとをしていたんですか?

はい。母の勧めもあって小さい頃から水泳とダンスを習っていました。色々なものの興味を持っていて、特に小3から小5まで習っていたヒップホップダンスは、友だちと一緒に始めたので楽しくできました。受験を期にやめてしまって、自分としてはダンスは続けないかなと思っていたのですが、中学からダンス部に入ったので、中高でもダンスを続けることになりました。

-5年間ダンス部ですよね。そのお話は後ほどゆっくり聞きたいと思います。
-小学校の思い出は何かありますか?

私が通っていた学校では地域で長なわの取り組みが活発で、3分で何回飛べるかのランキングもあってクラスで熱心に練習しました。担任の先生がとても積極的で最初は嫌だけど仕方なく行っていましたが、最初はゆっくりでも跳べなかった子がだんだんできるようになって記録が良くなってくことや協力すること、皆で頑張ろうと取り組んでいくのが楽しくなっていって、小6のクラスでは3分間で400回ちかく跳べるようになって、県のランキングに載りました。

-皆の頑張りが実を結んだということですね。
-では次に、中学受験のことを聞いていきたいと思います。Mさんが中学受験をすることになったのはどういう経緯でしたか?

私は中学受験をしたいと思ったことはなくて、私立中高に通っていた母が自分の中高時代が楽しかったので私にも受験してほしいと思って受けることになりました。なので、気づいたら小4から塾に通っていた感じです。

-そうだったんですね。実際に勉強を進めていかがでしたか?

小学校では周りで塾に行っている子が少なくて、自分で頑張ろうという思いも少なくてただ通っていただけだったのに、はじめのうちは「塾に行っている私、えらい!」と思いながら通っていました(笑)。せっかく受験するなら頑張りたいなと思って小6からは本腰を入れて勉強しましたけど、今考えるとずっと勉強しておけば良かったなと思います。

-しっかり頑張れた時期もあったんですね。
-和洋九段を受験することになったのはどういう流れだったんですか?

私のおばが和洋九段の卒業生だったということもあって、母が志望校に入れたので、その時は自分の意志があまりなかったと思います。

-なるほど…(笑)。実際に入学して印象に残っていることは何ですか?

入学して1か月で行ったブリテッシュヒルズが印象に残っています。英語しかしゃべれない環境が初めてのことで、英語がわからない中で強制的に英語しか使えないのではじめは苦労しました。でもちょっと英語をしゃべれる友だちと一緒に先生と話してみると意外に楽しくて、見よう見まねで色々やっていきました。パラシュートを自分たちで作って玉子を割らずに落下させるという時間では、グループで話し合いながら意見を考えて実践をしました。皆で相談して考えたものを形にするという体験は小学校の時にはなかったことなのでとても楽しかったですし、グループの子が出した意見を取り入れてやってみたら成功して皆で喜びました。

-皆で話し合いながら一つのものを作るというのがPBLに似ていますね。

PBLはブリティッシュヒルズに行く前から学校でやっていたのでスムーズに話し合いができました。

-PBLはいかがですか?

私は数学が苦手なんですけど、グループで話し合う中で、わからないところを友だちに教えてもらえるし、1人だと解けなくて嫌になってしまうこともありますけど、グループだと色々と聞けて良いと思います。

-印象に残っているPBLはありますか?

俳句を自分たちで作って発表してというのが印象に残っています。はじめは「なんでこんなことをわざわざグループで話し合うのかな?」と思ったこともありました。でも、グループでやってみると、意外と違う意見もあって、「こういう考え方もあるんだな」「こういう解き方もあるんだな」と知ることができて、とてもためになります。同じ問題でも色々なアプローチがあるというのを知れるのは楽しいし、他のグループの発表を聞いたら違うやり方をしていて、こういう意味があるんだなと思いました。

-なるほど、そういう気づきもあったんですね。
-他に思い出はありますか?

さっき少しだけ話した合唱コンクールについてです。中1、2の時は普通に合唱コンクールが行われて、私は伴奏をすることになりました。はじめは練習もまとまらなくて大変なことばかりでした。私は弾き慣れていないピアノでの伴奏の練習に加えて勉強もしなければならないし、「やめたい!」と思うことが何度もありました。でも、友だちに「あなたしかいないから!」と言われて頑張ろうと思えて、放課後は音楽科の先生と練習をして、クラスも皆が協力してくれてだんだんとまとまっていって、「来年も伴奏したいかも」と思えるようになりました。意外に楽しかったな、というのが思い出です。

-中3ではコロナ禍で合唱コンクールができなかったですからその分貴重な経験になりましたね。
-ダンス部の活動について聞いてもいいですか?

はい。私は中1からダンス部に入って、先輩、後輩という上下関係もオーディションも、文化祭で行う裏方も全てが初めてで、はじめのうちはわからないことだらけでした。はじめは同輩が5名いて、初心者同士では教えあって、上手な子からは教えてもらいながら過ごしていました。中2になる時に2名になってしまい、後輩が入ってきて教えきれないし自分たちも練習が足りないし、ということでとても大変だった記憶があります。それ以来、同輩の子と2人でずっとやってきました。その子は私以上の経験者でずっとダンスを続けているので、振り付けも考えてくれますし、本当に頼りになる存在です。その子がいなかったら中学で部活をやめてしまっていたと思います。部活も一緒、クラスも一緒、休みの日にも出かけることがあって、何でも話せる相棒です。ずっと一緒なので無言でも気まずくない存在です。

-家族みたいですね。相棒とはどんなことを話しながら進めていったんですか?

後輩を教えることに慣れていなくて、一番上の代になってもはじめのうちは何を言ったらいいかわかりませんでした。「アドバイス」をしたくても説教みたいになってしまうこともあって、2人で「こういうふうに言ったらいいのかな」と話し合って、後輩に教えるやり方がだんだんとわかってきました。私にとって2こ上の先輩方の進め方が憧れで、やる時にはしっかりやって、休憩中は楽しく過ごせて、という感じでメリハリがついていて「上に立ったらこういうふうにやりたいな」と思っていました。

-よきお手本になる先輩の存在があるというのは素敵ですね。

ダメな時はビシッと言ってくれるし、でも包み込んでくれるような存在だったと思います。
6名ともダンスが上手で、6名の空気感がいい感じでした。指導上手で緩いわけでも厳しいわけでもなくて。先輩たちが練習に来ると練習がしまるんですけど憧れられているという存在です。

-その憧れには近づけましたか?

少しだけ近づけたかなと思います。上下関係はありますけど、先輩に話しかけづらいという壁は壊せたかなと。でもそれは一つ上の先輩方のおかげでもあるんです。部活では的確にアドバイスをくださるんですけど、練習が終わった後は仲よく話しやすい雰囲気を作ってくれて、切り替えがとてもよかったです。気持ちを伝えてくれる時も「こうしてほしい」という後に「でも、こういうところはよかったよ」といい感じに丸めて伝えてくださって、感情だけを押しつけない優しさがありました。

-配慮がありますね。感情を押しつけないというのがなかなか難しいことだと思います。ダンス部の中で良い空間ができあがっているのだろうなと想像されますね。

そうだと思います。

-高校生になってからの生活はいかがですか?

毎日友だちと話すのがとにかく楽しいです。高3になると登校する日数も減りますし、それを感じてしまってもうちょっと高校生活を楽しもう、遊べる時に遊んでおきたいな、と思っています。

-高3の3学期は登校日が少なくなりますし、これから進路の実現に向けて本格的に動いていきますからね。
-どんなことをするのが楽しいですか?

休みの日には渋谷や原宿に行きます。最近は「写真を撮る」ことがメインで、かわいい写真を撮るためにカフェに行ってかわいいメニューを頼んでいます。

-「映え」というやつですね!

先日はダンス部の同輩の誕生日にバースデープレートをサプライズで贈りました。ご飯の途中で運んできてもらって、かなり喜んでくれて嬉しかったです。実は私も以前してもらったのでお互いに贈りあえたというのがよかったです。

-素敵な関係ですね。
-色々とお話をうかがってきましたが、5年間をたどってみてどんなことを感じますか?

小学生の時と中高で変わったなということです。小学校までは性格も内気で意見もなかったのに、和洋で部長を務めて変わったと思います。また、PBLで友だちと協力することを学んで自分の意見を出すこともできるようになりました。それは部活でも活かせたし、これからの生活でも行かせると思います。責任を背負うということも体験させてもらって、大変だったけどとても楽しかったので、もう一年やりたいくらいです。

-そういう風な終わり方ができるというのは幸福なことですよね。すばらしいです。
-将来やりたいことはありますか?

コロナの自粛中にTIKTOKで韓国人の女の子がライブ配信をしていて、その子は日本のファンが多くて日本語を頑張って配信の時に話してくれていました。その時、私も勉強したら話せるようになるかなと思って韓国語の勉強をしてたんですけど、学校が始まって継続できていなかったのでまた始めたいなと考えています。

-進路が落ち着いたらまた始められますね。頑張ってください。
-では最後に、和洋の後輩と受験生に向けてメッセージをお願いします。

まずは在校生に向けて。6年間はあっという間なので、悔いなく楽しんでほしいです。私は大変なこと、辛いこともあったけど、今振り返ると楽しい思い出ばかりです。経験として乗り越えていけると良いと思います。
受験生に向けてはやめたいと思うくらい大変なこともあると思うけど、それを乗り越えたら楽しい学校生活が待っているから諦めないでほしいです。私は目標もなく過ごしてしまった時期があって後悔しているので、目標を持って頑張ってほしいです。

-充実した中高の生活を送ってきたからこそ言える素敵なメッセージですね。これからも自分の強みを伸ばして楽しんでください。ありがとうございました!

【X先生からMさんについてのコメント】

後輩が30人近くいるダンス部で、引退するまで部長としての役割をしっかり果たしてくれました。決して威張ることなく、親身になって熱心に指導する姿は、控えめだった中学生の時と比べると、大きな成長だと思います。
また最近は、これまで以上に勉強にも力を注いでおり、多くの先生方からその頑張りを褒められています。和洋で培った力が、次は扇委員でも活かされることを期待しています!

Vol.56 高1 Yさん
Vol.54 高3 Yさん