Stories
-インタビューを通して和洋生の成長をお伝えするStories。74回目となる今回は、中3のSさんからお話を伺っていこうと思います。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
-では早速インタビューに入っていきましょう。Sさんは小さい頃どんな子でしたか?
下に弟が二人いるので、しっかりしている子だったと思います。でも2歳くらいの時には「お姉ちゃん」と呼ばれるのがすごく嫌で、名前で呼ばれていました。
-なぜ嫌だったのでしょう?
恥ずかしかったのと、名前があるのだから名前で呼んでほしい!というのがあったんだと思います。
-なるほど、そうなんですね。弟さんとは仲が良いですか?
仲が良いと思います。下の弟は外で遊ぶのが好きなので家の前でキャッチボールしたりサッカーしたりしていました。上の弟はインドアなタイプなので家の中で一緒にゲームしたりユーチューブを見たりしています。あとは買い物したり本屋さんに行ったり…。
-両方の弟さんの相手をそれぞれしていたのですか。素晴らしいですね。
-他には何かエピソードがありますか?
クラスの子たちとチームを組んで区の小学生対抗ドッジボール大会に出ました。小学校の体育館を借りて練習も結構熱心にしていて、お揃いのTシャツも作ってやっていました。
-運動神経がいいんですね。
うちは両親とも運動が好きで、私も走ったり泳いだり球技も全体的にできます。
-オールマイティなんですね。運動系の習いごともしていたんですか?
弟が幼稚園の時にサッカーを始めて、私も年中の終わりぐらいから一緒にサッカーを習っていました。あとは水泳を5歳から5年生までやっていました。水泳は結構行きたくない日が多くて嫌だった記憶があります。
-どうして嫌だったのですか?
上手な人たちが集まるクラスに入るようになると速い人がいっぱいいるので、追いつかれてしまって「もう泳ぎたくないな」と思うようになりました。それでも頑張って行っていましたけど…。
-続けようと思ったのはなぜですか?
行かなきゃなという思いがありました。途中でやめてしまうことが嫌で、自分でちゃんとやらないとスッキリしないんです。
-それは今でも変わりませんか?
そうですね。やってもやらなくてもいい宿題なんかも、やらないと気持ちが悪いみたいな感じです。
-その感覚ってどういうふうに身についたのでしょうね。
う~ん…。家の中で姉という立ち位置だったのが関係しているかもしれません。弟たちの手本になるというか、ちゃんとしたいというような思いがありました。あとは父から受けた特訓の影響もあるかも…。
-というのは?
両親とも運動が好きだったせいか、父親は私が歩けるようになる前から走り方を教えていたそうなんです。その後も結構色々なことを教えてもらってきて、「頑張ればできる!まだ行けるでしょ!」と励まされていたので、もうちょっと頑張ってみようとなったのだと思います。
-なるほどね。そういうことがあって、色々なことを諦めずにこうやる習慣が身についたのでしょうね。生活する上での根幹になっていそうですね。素晴らしいと思います。
-他に行っていた習いごとはありますか?
小学校の時に何年かそろばんを習っていました。今でも少し計算が速いのはそれが関係しているかなと思います。
-ちなみに得意な科目は何ですか?
体育と社会が好きです。
-社会は何の分野が好きなんですか?
古代のエジプトとか、昔のことが好きです。
-あれ?そういえば、Sさんはエジプトの講習に参加していましたっけ?
はい、出ていました。
-なるほど、では後ほどその話も聞いていきますね。
-では、次に中学受験のことを聞いていきましょう。Sさんが中学受験をすることになったのはどんな流れからですか?
父も母も祖母も受験していて、母は女子校に通っていたので、私も女子校に行きたいなと思っていて、和洋九段を受験しました。
-親御さんが女子校はこんな風に楽しくていいよとアドバイスしてくれたんですか?
女子だけだから荷物運びも全部自分たちでやらなければいけないけど、男子がいない分遠慮なく楽しむことができると教えてくれました。
-そうなんですね。受験の前に学校に来たことはあったんですか?
私が受験の頃はまだコロナの影響があったので、受験生のイベントが少なくて、先生が案内してくれる校舎見学会に参加しました。特にイングリッシュルームが印象に残っていて、「中学になると英語をちゃんと学ぶんだな」と感じました。
-そうなんですね。ありがとうございます。
-では、和洋に入学した後のことについて聞いていきましょう。
-入学した頃の話で覚えていることはありますか?
中学受験の模試の会場で見たことのある子が和洋九段に入学していて、しかも同じクラスで後ろの席だったんです。すごくびっくりしました。あとは和洋九段を受験した時に試験監督だったS先生が担任だったので少し安心しました。でもはじめは誰とも話したくなくて、「誰も話しかけてこないで!」と思いながら入学式の日はずっと生徒手帳を眺めていました。
-今のSさんを見ていると想像しにくいですが、そう思っていたのはなぜでしょう?
話しかけられたら自分も話さなければいけないし、うまく話が続くかわからないし、早く帰りたかったです…。
-結構人見知りなんですか?
多分そうだと思います。小学校の時は色々とリーダーを務めたことがあったんですけど、新しい環境だったので自信がなかったです。
-今の自分だったらどうですか?
絶対他の子に話しかけに行ってます。それくらい変わったと思います。
-スタートラインはそんな感じだったというのがわかりました。ありがとうございます。
-中学の3年間のどこかで変化があったのでしょうね。楽しみです。
-中学に入って、小学校と違うなと感じたのはどんなところですか?
室内に温水プールがあることです。すごく広いし、綺麗だし深いし。すごい中学校だなと思いました。友だち何人かで水泳部に入部して、今でも泳いでいます。
-水泳部はいかがですか?
私はとにかく速くというのではなくて、エンジョイスイマーです。とにかく水の中に入っているのが好きで、涼しくて気持ちいいです。
-楽しく続けられるのが良いですね。
-では先程出たエジプトの講習について感想など聞いても良いですか?
-2022年の春に講習を行ったんでしたね。私がJICAの教師海外研修でエジプトに渡航したことを話そうとしたら、何人かの先生が「一緒に講座をやりましょう!」と言ってくださって開催したものでした。
私は中1の終わりでした。小さい頃から未確認生物みたいなよくわからないものに興味がありました。怖いんだけどなんか見ちゃうみたいなのがあって、エジプトにも謎が多くて好きになりました。ピラミッドの中もわかっていないことが多いし、もしかしたらエイリアンが作ったの?みたいな期待がありました。
-未知のものに対する魅力ですね。わかります。
で、友だちも社会が好きだったので一緒に申し込もうということになりました。
講習では色々な教科の先生が様々な角度からエジプトについて講義をしてくれて、現地の方ともZoomで繋がって話を聞けて、楽しかったです。
ピラミッドの大きな石を運んだ方法や、ピラミッドは発電所だったのではないかという話も新鮮でした。私は宇宙との交信でピラミッドが使われていたのではと思っていたので、ちょっと残念ではあったんですけど…。
-色々な説がありますし、まだわかっていないことも多いですからね。ピラミッド内には別に部屋があるのではないかとも言われていますし。
-Sさんはエジプトに行ったことはないんですか?
まだ行ったことがないです。いつかお金を貯めて行きたいです。
-かなり遠いので、気軽に行ける場所ではないですけど、いつか行けると良いですね。
-他に何か思い出に残っていることはありますか?
中2の5月に千葉のクルックフィールズに行ったのが思い出です。
-そうでした。そこでもご一緒しましたね。覚えていることを話してもらえますか?
友だちがClassiで募集しているのを見つけて、それは中3以上が対象だったので私たちは外れていたんですけど、担当しているS先生に聞いてみたら「先輩達の人数が少なかったら行けるかもね」という答えでした。結果的には、中3・高1の先輩達と一緒に行けることになりました。
事前学習、事後学習でも色々なことを話し合って、食品ロスについて考えて自分たちができることは何だろう?と考えて、カフェテリアで使われている容器やスプーンがプラスチック製だからそれを変えられないか、とか、カフェテリアのシェフにインタビューして、食品ロスがどれくらいあるかなどを聞きました。
-聞いたり考えたりした上で、どんなことを考えたんですか?
正面玄関にある校舎のミニチュアでは、裏階段の空きスペースが森みたいになっています。そこに植物を植えたり野菜を作ったりできれば、できた野菜をカフェテリアで使ってもらって、余ったところはコンポストで肥料にして、というのができるとよいという意見が出ました。
-そこまでいけば完全に循環しますね。安全面など考えなければいけないことがありますが、提案してみるのが良いと思いますよ。
-クルックフィールズに行った時の感想はいかがでしたか?
すごく広くて楽しかったです。私は運動するのが好きなので、場内を歩くだけでも楽しかったし、竹でできた大きなブランコも良かったです。イノシシの肉が入ったカレーを食べたことやコンポストの存在を知ったのもはじめてでした。
あと、場内をめぐりながらクイズに答えていくフィールドワークのワークシートがあったんですけど、その問題に全部答えてやろう!という思いで取り組んで、友だちがすごく記憶力が良かったのでどんどん埋まっていきました。
-楽しみながら場内をめぐれましたよね。
-他にもミントの葉をちぎって匂いを嗅いだり、普通に入場した時には見ることのできないエリアにも連れて行ってもらって、放し飼いで飼育されている鶏の様子を見たり、容器をリサイクルするために粉剤する機械なども見せてもらいましたよね。
聞いていて思い出したんですけど、大豆の木が肥料になっていく過程のところも見られて、何ヶ月か経つとはじめは堅かった茎が掴むとぼろっと砕けてしまうくらいになっていて、自然の力ってすごいなと感じました。
-確かにその力を活かして新しい生物が生きていく源になっているのですよね。学校内でも作っていけると良いですね。一緒にやれそうな友だちがいたらぜひ挑戦してみてください。
-では次に宣伝部のことを聞いても良いでしょうか。
私は小さい子と関わるのが好きなので、学校内でもそういう機会があると良いなと思っていました。あと、私は和洋のことが大好きなので、その良さを小学生やその親御さんに知ってもらいたいという思いが強かったんです。その時に和洋九段宣伝部の募集があって、応募しました。
-学校のことが好きになったというのは何かきっかけがあったんですか?
はじめは廊下が暗めなのかなと感じていたんですけど、実際に過ごしてみると日差しが入ってきて明るいですし、作りは迷路みたいですけど教室は広いし、先生方も面白い方が多くて良いなと思います。あとは個人的なことですけど、クラブ活動で疲れている時に家から近いというのはすごく良かったなと思います。
-「こういうところなんですよ」とポジティブに明るく紹介してくれていると思うんですけど、反応はいかがですか?
この前女子校フェスタの個別相談で地元が同じ子と話す機会があって盛り上がったんですけど、その後に行われた生徒による校舎見学会に参加してくれて嬉しかったです。私が校舎を案内することは残念ながらできなかったんですけど、帰るところで会えて少し話せたので良かったです。
-Sさんの印象が良かったから来てくださったのでしょう。また来てくださると良いですね。
-宣伝部の活動って色々あると思うんですけど、この瞬間が一番好きだなというのはありますか?
PBL授業体験会のお手伝いでテーブルのファシリテータ-をしたんですけど、「また来てね!」と話した子が次の回にも来てくれたのが嬉しかったです。「あっ、また来てくれたんだね」という気持ちになります!名前を覚えていてくれる子もいて楽しいです。
-どんな風に小学生とお話しするんですか?。
中学に入ったらどんなクラブに入りたい?と質問して、泳ぐのは好き?好きなら水泳部、そうでなければ私が兼部している写真部をお勧めしています!
-クラブの勧誘にもなっているんですね。頼もしいです。
-見学会やPBL以外にも宣伝部の活動をしているんですか?
公式のインスタグラムでSNSの発信も今年度からしているので、そのための写真を撮ったり原稿を作ったりもしています。
-クラブも兼部して宣伝部の活動もして、かなり忙しいですよね。その活力はどこから生まれてくるんですか?
何かしてないと本当にダメなんです。暇な時間ができると何をしたら良いかわからなくなってしまうので、最初からきちんと計画を決めて動いていくのが自分には合っています。夏休みの宿題も最後の方までダラダラやっているのは自分の気持ち的に本当に気持ちが悪いので、何日までには必ず終わらせる!と決めてその後はとことん楽しむようにしています。
-計画的に進めるというのは本当に大事なことですよね。
-Sさんが中学に入って積極的に取り組めるようになっている原動力が気になります。
人と話すことや新しいことに取り組んだ時に得られる達成感がご褒美になっているように感じます。いったん味わってしまったからまた動き続けているとまた味わえそうかな、という感じです。
-Sさんは、熟慮して決断するというよりポンポンって軽やかに即決して、一気にドーンと動くタイプな感じがしますね。その動きがお友達と一緒に動くことでダイナミックになっていくという…。
積極的に動くことが将来に繋がっていくと良いなと思いますし、弟たちにもアドバイスできるものが手に入れられると良いと思います。
-素晴らしいですね。これからもどんどん動き続けてください。
-では最後に後輩と受験生にメッセージをお願いします。
受験生には、私自身もそうだったんですけど、第一志望でなくても学校に入ってみたらすごく楽しいということもあるので、最後まで諦めずに頑張ってください。
後輩には、明るく過ごしてほしいというのと、何にでも挑戦してみて!です。行動すると辛いことはあるけど、その辛いこともいつか終わるので、絶対後悔はないです。達成感というご褒美が待っているので、そういうマインドで何事にも頑張ってほしいです。
-和洋に入学して、毎日前向きに過ごしているのがわかるインタビューでした。これからもどんどん新しいことにチャレンジし続けてください。応援しています。ありがとうございました!
【X先生からSさんについてのコメント】
真面目で努力家の一面もありますが、彼女の持ち味は積極性とセンスの良さです。ユーモアをもって物事に前向きに取り組み、平等に人と接することのできるムードメーカーとして人望が厚いです。後輩からは面倒見のよいお姉さん的存在として、先輩からは何でも任せられる信頼の置ける後輩として頼られています。高校生になったら、今まで以上に組織の中心的存在となることを期待しています。