-生徒の成長をインタビュー形式でお伝えするStories 第29回になります。今回は高2のHさんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
-今回も入学前のことから聞いていきたいと思いますが、幼い頃はどんな子でしたか?
好奇心旺盛で、そのせいか小学生の頃はたくさんケガをしていました。あと、習い事でピアノを習っていたんですけど上手くいかない時に諦めず泣きながら練習をしていたので、負けず嫌いだったと思います。
-そうなんですね。その頃の思い出は何かありますか?
小学校低学年の頃から町会に参加していて、大人に交じって友だちと一緒に話し合いに参加していました。
-最近だとそういうのは珍しいですね。
先日は火の用心の夜回りに行ってきました。ちょっとやってみたくて…。
-最近も参加しているんですね。どうでしたか?
寒かったけど楽しかったです。山コースと町コースがあって、私は若いから山コースを回ることになって(笑)、時間は30分くらいだったんですけど階段だったりこんなところ行くの?という場所を巡ったり、今まで知らなかった場所もたくさん知ることができました。驚いたのは、家が見えると「あそこは○○さん、こちらは○○さん」と一緒に回った方が一件ずつ誰の家かを把握していたことです。地域の繋がりが深いんだな、と感じました。
-そういう地域はすごく少なくなってきていますよね。地域の取り組みに参加できる環境があったんですか?
一緒に住んでいる私の祖父が町会長をしているので、参加しやすいのだと思います。祖父とは仲良しで、地域の活動に一緒に参加したり、散歩したりもします。
-地域の方とのお話はどんな内容なんですか?
学校の同学年の友人と話すのは最近の話題のことが大半ですけど、町会での話は大人の方から「昔はこうだったんだよ」という形で前のことを聞くことが多いです。10年以上住んでいても知らないことがとても多いな、と感じます。夜回りした山の近くには古墳跡があって、今はお寺が管理していて入れないようになっているんですけど、昔はそこでよく遊んでいたそうです。
-そういうお話を聞ける場所があるというのはすてきですね。これからも参加し続けてくださいね。
-では、次に中学受験のことを聞いていきたいと思います。どのような経緯で中学受験をすることにしたのでしょう?
私は小学校で習う英語しか習っていませんでした。高校受験では英語があるというのを知って、これからどうなるかわからない教科で受験するのは怖いな、と思っていました。あとは中学で落ちてしまっても公立に行って高校受験すればいいですけど、高校では後がないので、チャンスの1回目として受験することになりました。
-そうなんですね。チャンスの1回としてチャレンジするというとらえ方もいいですね。
-和洋九段が選択肢に入ってきたのはなぜですか?
はじめは塾の先生からのお勧めで候補になりました。電車で一本というアクセスも良いですし、説明会で校長先生の人柄がとてもやさしそうで印象がよかったです。
文化祭で訪問した時には先輩方が優しく接してくれて、笑顔がすごく素敵で、学校の雰囲気がとてもいいな、と感じました。あとはクラブ体験会というのがあって、それまでやったことはなかったんですけど茶道部の体験をさせてもらって、先輩達がとても優しく教えてくださいました。
-茶道には興味があったんですか?
そうですね。ちょっと興味があって、体験してみたら楽しかったんです。先輩がマンツーマンで指導してくださって、合間の雑談もおもしろかったです。
-Hさんは今、茶道部ですよね?
はい。中1から茶道部に入っています。中学で入りたいと思っていたクラブの第一候補でした。入学式の時に教室で隣の席だった子と仲良くなって、その子も茶道部に入りたいと考えていて一緒に体験に行きました。その子は今、茶道部の部長です。
-すてきなご縁ですね。Hさんはクラブ内でどんな役割なんですか?
私は後輩と二人で会計をしています。最近は今年度の決算をしたり来年度の予算を申請したり会計台帳を書いたり色々仕事があって大変ですけど、顧問の先生が丁寧に教えてくださるので、頑張ります。
-この時期は大変ですよね。頑張ってください。
-部活の雰囲気はどうですか?
上下関係がある部もあると思うんですけど、茶道部はそういうものがなくて休憩時間には学年をまたいで話をしています。お手前をする時には真剣に、休み時間は学年の垣根を越えておしゃべりとメリハリがついていると思います。毎週木曜にはコーチが来てくださって教えてもらっています。それ以外の部活の日は先輩が後輩に教える形です。
以前は水屋に集まって皆でお話ししながらお菓子を食べたりお抹茶を飲んだりする時間も楽しかったんですけど、今は黙って食べなければならないので少し寂しいです。
-そうなんですね。
-クラブをやっていて成長できたことはありますか?
お茶を飲む時の姿がきれいになったね、と父に言われたのが嬉しかったです。やっていたことが身についたな、と思って。
-5年続けていると所作が身につくんですね。すばらしいです。
-和洋を卒業した後も続けていく予定ですか?
そうですね。志望大学のサークルを調べたことがあるんですけど、和洋の茶道部は裏千家で、サークルは表千家が多かったので、どんな違いがあるのか興味があります。
-ここまで積み上げたモノですし、何らかの形で続けていけるといいですね。
-中学時代に心に残っていることはありますか?
やっぱり中学3年で行った修学旅行が思い出に残っています。私にとって初めての海外旅行だったので不安でしたけど、友だちと一緒でしたし、先生方もサポートしてくださったので楽しく過ごすことができました。
-一番心に残っているのは何ですか?
シンガポール動物園に行ったことです。私はオランウータンが大好きで、その動物園ではオランウータンが有名だったんです。初めて見てとてもかわいかったです。包容力がありそうで、ハグしたかったですし、お土産にぬいぐるみも買いました。
-本気でハグしたら潰されちゃいませんかね(笑)。
-では次に高校になってからのことを聞いていきたいと思います。中学の時との違いや成長などはご自身で感じていますか?
中学の頃に比べて勉強するようになったな、と思います。あとは小学校の頃からプレゼンテーションは得意でなかったんですけど、今も緊張はするものの中学の時よりは前を向いて話すことができるようになるなど、余裕が出てきたと思います。
-とある先生から伺った話だと、Hさんは学年の中で初めてプレゼン内にオーディエンスへのクイズを取り入れた方だそうですね。どのような考えから行うことにしたのでしょうか。
淡々と話しているだけだと聞いている人も暇だろうな、と思ったのが始まりです。聞いている人を巻き込んで行えるプレゼンテーションをしたいな、と思って色々と考えている時に視聴者も参加できるクイズ番組を見て、これはどうかな?と考えました。先生からもこの工夫についてほめていただけましたし、別の発表の機会に他の子がプレゼン内にクイズを入れていて、嬉しかったことを覚えています。
-なるほど。他の人もHさんのプレゼンテーションを聞いて引き込まれたのでしょうね。他には発表の際に工夫したことはありますか?
10秒という時間の長さを感じてもらうために「息を止めてもらう」ということをしたことがあります。この時間に世界では○○が起きています、というのをお伝えする時に行いました。
-なるほど。実際に体感することで話で聞くよりも伝わりやすそうですね。
-ところで、今行っている探究活動では何をテーマにしているんですか?
私は国内の貧困問題に関心があるので、子どもの貧困について考えています。貧困について関心を持ったきっかけは中2の時にSDGsに関連する団体を訪問した時にカンボジアの教育を支援しているCIESFさんに伺ったことです。日本国内にも貧困はあって、十分な教育を受けられる環境を整えることで格差を解消していけないかと考えています。実際に子ども食堂のお手伝いをするためにアポイントを取っているのですが、コロナ禍ということもあって現在は体験できない状態です。
-コロナが落ち着いて、携われるようになると見えてくるものが色々あるでしょうね。
- 勉強に対する意識も中学の時と変わったとおっしゃっていましたが、どのような変化がいつ頃あったのでしょうか。
高1から変わったと思います。高校は頑張りが進路に直結するので、頑張らなきゃ!という思いが大きくなりました。試験勉強をしている時に「ゲームしたいな」みたいな誘惑が出てきても断ち切って頑張れるようになりました。
-中学時代との違いはありますか?
中学時代は自分に合った勉強法がよくわかっていなかったのだと思います。1時間勉強して10分休憩して、また1時間勉強して、というのも試してみたんですけど、休憩が10分で終わりにできずにハマっているゲームをやり続けてしまったこともありました。
-Hさんに合った学習法を教えていただけますか?
暗記科目は机でやるのではなく、部屋中を歩いてぶつぶつ呟きながら覚えています。元々、紙に書いて覚えていたんですけど、効率が悪いのと眠くなってしまうことに気づいてこの方法を思いつきました。この勉強方法にしてから、確実に成績があがりました。
-そうなんですね。それぞれに合った勉強法があるでしょうから、色々試して自分が継続的に取り組めるやり方を見つけるのがいいですね。
-将来はどのような道に進もうと考えているんですか?
看護師になりたいと考えています。
-看護師を目指そうと考えたきっかけは何ですか?
小6の時に一輪車から落ちて骨折してしまい、手術が必要ということで3週間ほど入院していたんですけど、術後に足が痛くて苦しんでいた時に担当の看護師さんがずっと背中をさすってくれていました。その優しさが嬉しくて、自分もそんな存在になりたいな、と思ったのがきっかけです。
-看護師さんの優しさに触れ、支えられたことがきっかけとなったんですね。不自由な生活が続いたと思いますが、その中から得たものはありますか?
当たり前のことなんですけど、電車の中に不自由な方がいたらすすんで譲っています。困っている人を助ける存在になりたいです。
-困っている人に目を向けるやさしい心が得られたんですね。すばらしいことです。
-将来はどんな看護師さんになりたいですか?
自分のことより患者さんのことを優先して、辛い時は寄り添って辛い気持ちを「半分こ」したいと思います。人のためにすぐ行動に移せる人が憧れです。
-患者さんに寄り添える素敵な看護師さんになってくださいね。
-ちなみに、学校で行われている看護・医療ガイダンスには参加していますか?
はい、毎回参加しています。講師の先生のお言葉の一つ一つが図星すぎて心にグサグサくるんですけど、ためになることだらけのガイダンスです。
「大学に入るのに近道をしちゃダメ」「行ける大学ではなく、行きたい大学に入ることが大切」など、心に残る言葉をたくさんくださいます。
-先輩達もあのガイダンスや模擬面接を通して鍛えられて進路を決定していますので、最後までしっかりついていってくださいね。
-さて、インタビューも終わりが近づいてきました。和洋生の後輩に向けてメッセージをお願いします。
発表とかプレゼンはやればやった分だけ上手になります。カンペを見ないで目線をあげられるようにもなるので、嫌だなと感じる人もいると思うけど、「自分の未来への投資」だと思って頑張ってください。
-プレゼンのスキルは将来的にも大切ですから、中高時代にしっかり鍛えてほしいですね。
-では最後に受験生に向けてメッセージをお願いします。
自分はダメなんじゃないかとマイナス思考になってしまいがちだと思いますが、相手を打ち負かすくらいの気持ちで頑張ってほしいです!
-緊張の中で過ごしている受験生を奮い立たせてくれるコメントですね。Hさんも夢の実現に向けて頑張ってください。今回はありがとうございました!
【X先生からのHさんについてのコメント】
いつも明るく笑顔で友達と接し、誰からも愛されるキャラクターです。何事にも真面目にコツコツと努力していますし、穏やかな性格で友達を大切にすることができるので、周りからの信頼も厚いです。控えめですがしっかり者で、茶道にも真剣に向き合い、楽しみながら頑張っています。
プレゼンテーションやそこで使われるスライドは、みんなが楽しく参加できる工夫がいつも施されています。これからも、多くのインプットをしつつ、表現力を更に磨いてもらいたいです。
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