和洋九段女子中学校高等学校

Stories Vol.12

Vol.12 高2 Kさん

-生徒の成長をインタビュー形式でお伝えするStories 第12回になります。今回は高2のKさんです。よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

-今回はKさんが小学校時代に一番思い出に残っていることを聞いてみたいと思います。

私は小4から小6の3年間、すっと運動会の応援団をしていたのが一番の思い出です。私は人前に出るのが得意ではなかったんですけど、応援団だけは別でした。放課後残ってみんなでわちゃわちゃ話しながらポンポンを作ったりするのが楽しくて続けていた感じです。

-どんなところに惹かれたんでしょうね?

応援団と管弦楽には4年生から参加できるんですけど、上級生がはちまきを巻いて賑やかにしていたのが楽しそうだったので、私もやってみたいな、と思いました。

-3年間の活動の中で得られたものはありますか?

3年間続けたので、短い期間ではあるんですけど一生懸命取り組めたということと、同じ組の仲間と一緒に頑張れたのが良かったと思います。

-上級生が下級生に教えたりすることはあったんですか?

そうですね。6年生が下級生に応援歌の歌い方を教えるということはありました。ただ、教える中心は団長、副団長で立候補制だったんです。私はやってみたいな、という気持ちは少しあったんですけど恥ずかしくて手を挙げる勇気がなかったです。

-応援団に立候補する勇気はあったんですからそれはすばらしいことですよね。話の始めに応援団が出てくるのは新鮮でした。ありがとうございます。
-学校生活以外で何か覚えていることはありますか?

小6くらいからネットの世界で活躍されている方々に興味を持ってのめり込んでいました。ボーカロイドとか…。

-私にはよくわからない世界ですが…、楽しかったんですね。

はい。悩んだ時などに聞いてとても助けられました。あとはアニメのキラキラしているキャラクターにも癒やされています(笑)。

-なるほど。とても熱の入った語りで、本当に好きなのが伝わってきます(笑)。
-では、話題を変えて、小学校の時に行っていた習い事を教えてもらっていいですか?

はい。私はそろばんを習っていました。父が習っていたということもあり、計算に対して苦手意識を持たないように、ということで母が勧めてくれました。週に2回行っていましたけど、これもやっぱり合間に友だちとおしゃべりする時間が一番楽しかったです。

-そうなんですか。最近は習い事でそろばんを習っているという人を聞かなくなりましたが、結構いるんですね。
-塾には通っていたんですか?

はい。でも、なかなか自分に合う塾が見つからなくて何度か変えました。私はマイペースなので能力別に分かれて集団でガリガリ勉強する!という形が合わなくて、最終的には個別対応をしてもらえる塾に通っていました。

-最終的に自分に合った場所が見つかって良かったですね。
-和洋九段を志望校にしたのはどのような経緯からだったんですか?

これもはじめは母の勧めだったんですけど、最寄り駅から一本で学校まで来られるということと、校舎見学に行った時に先生たちの印象が良かったこと、あと、私は覚えていなかったんですけど母から聞いた話によると、国語と算数の勉強会を受けた後に私の感想が高評価だったみたいで、それも志望校にする一つの理由でした。

-そうなんですね。
-お母様が和洋九段を勧めてくれたのは他にも理由があったんですかね?

私は小学校の時、女子だけでなくて男子とも友だちで結構仲よくしていて、女子に人気のある男の子とも普通に話をしていたんですけど、それを一部の女子は快く思っていなかったみたいで…、一部の女の子とはちょっと距離感があったんです。

-なるほど。でもそんなKさんが女子校を選ぶのは不思議な感じがしますが…。

母親が学校を選んでくれたのが全部女子校だったんです。男の子としゃべって女の子から意地悪されるんだったら女の子だけしかいない中で伸び伸びと生活した方がいいんじゃないか、ということで。

-女の子からそんな風に見られるのは嫌だったのではないですか?

う~ん。嫌というより、私は男の子と普通に話しているだけなのに、何でそう思われるのかな、とちょっと悲しい気分になっていて、ずっと不思議に思っていました。

-今、高校生になってその当時の自分を見つめてみて、どうですか?

今考えれば、人気のある男の子と話せばそんな風に思われるよな、と思います。

-小学校でありそうな話です。「やっかみ」というやつでしょうね。女子だけだと確かにそういうことはないですね。
-受験した時のことは覚えていますか?

はい。教室で先生とお手伝いでいた先輩がとても仲が良さそうだったのを覚えています。先生と生徒の距離が近いんだな、と感じました。

-確かに和洋は先生と生徒の距離が近いですね。何でも相談できる雰囲気があると思いますよ。そんな和洋はKさんにとって合っていましたか?

はい。私は女子校の中でもあまりかっちりしすぎている学校は好きではなくて、賑やかで女子ならではの明るくて楽しい感じの学校がよいので、とても合っていると思います。

-そうなんですね。マイペースなKさんにも合っていたということでよかったです。
-では、和洋に入学してからのことを聞いてみたいと思います。小学校の時と中学とではどのような違いがありましたか?

小学校の時に「中学生になったら何でも教えてもらえるわけでないんだよ」と先生に言われていました。実際に中学に入ってからも、わからない時は「これはどうすればいいですか」とちゃんと聞かなくちゃいけないんだな、と思うようなことがあって、そこが違いかな、と思います。

-確かに中学に入ってからは自主的に何かを行うことが増えていくかもしれませんね。
-中学時代に記憶に残っていることはありますか?

そうですね。合唱コンクールとか文化祭とかですかね。中3の時に飲食団体を初めて行って、レジをする人、チケットを渡す人、商品を出す人、みたいに役割分担をしたんです。「お店の人」として、自分たちが知らないお客様と接するのは初めてのことですし、とても新鮮でした。
私は皆でテーマを考えたり色々と準備したりするのが好きなので、そういう時間もとても楽しかったです。

-そうなんですか。今はコロナでそういうこともできなくなって残念ですね。
-中2のグローバル遠足はどこに行ったんですか?

私たちはJICAを訪問しました。一人ずつ訪問する企業とか団体の候補を3つずつ挙げてきて、一番多かったのがJICAだったんだと思います。
SDGsで興味のある番号を選ぶ時に、私は10番(人や国の不平等をなくそう)を選びました。小学校の時の経験もあって、「差別」とか「いじめ」とかが嫌いだったので「平等」という言葉に惹かれました。

-なるほど。自分の身近なところとSDGsが繋がっているのがいいですね。
-グループは何人だったんですか?

6人組でした。仲の良い友だちと同じ番号を選んでいたので、同じグループになるかなと思っていたら実際は別の番号の人同士が組むことになったので、初めて話す人もいましたし、グローバルクラスの子もグループにいたのでそれをきっかけに話すようになりました。

-クラスを越えてグループが組まれたんですね。良いことだと思います。
-訪問した時のことを覚えていますか?

はい。その当時は今ほどSDGsのことを詳しくは知らなかったので、初めて知ることもたくさんありました。日本で5番のゴール(ジェンダー平等を実現しよう)を達成するのはとても難しいと言われていることもそこで知りました。それまでは10番に興味を持っていたんですけど、ゲームなどを通して2番(飢餓をゼロに)とか6番(安全な水とトイレを世界中に)にも興味を持って、新発見がたくさんありました。

-この経験から何か変わったことはありますか?

新聞などでSDGsに関連する記事に目が向くようになりましたね。

-それは経験によって成長したということですね。
-他に中学の体験で自分を成長させてくれたものはありますか?

はい、中3の夏に、進路に関してどこか訪問するという機会があって、私は法律に興味があったので一人で「中学生ジュニアロースクール」というイベントに参加しました。そこでは架空の事件を一緒に参加した中学生で解決しよう、ということに挑戦しました。資料を見ながら矛盾点を見つけたり、疑ったりしながらチームで何かを考えるということは行ったことがなかったので、とても新鮮でした。あとは同じチームになった中1、中2の子からも刺激を受けて、もっと積極的になって、深く考えて発言力も高めなきゃ、と思うようになりました。

-とてもおもしろそうな体験ができましたね。

あと、その時のことを文化祭で学年で何人か選ばれる代表として発表しました。PBLでもよく発表をしていて慣れていたんですけど、その時は保護者の方とかお客様とかがたくさん見に来てくれたので、とても緊張しました。選ばれた時はとても驚いて、「え、私でいいの?」と思ったんですけど、代表に選んでもらえたことで自信にもなりましたし、本番に向けて練習をいっぱいしたのでうまくいったかな、と思います。

-それはよい経験になりましたね。和洋に入学してからの成長が感じられますね。一人で外にチャレンジできる、という強さも感じます。
-では、高校に入ってからのことを聞いていきましょうか。入学時にはコロナ禍でしたが、どうでしたか?

前回の高2の子と同じで、オンラインの授業がとても合っていました。教科によって少し差はありましたけど、私は授業中もお昼休みもすぐ眠くなっちゃうので、お昼の時間は少し睡眠を取って、リセットする時間にしていました。それで午後もしっかり切り替えて授業を受けられたのが良かったと思います。

-そうなんですね。オンラインが合っているといっても理由が様々でおもしろいですね。
-高1から社会貢献に向けた各自の取り組みが始まっていると思いますけど、Kさんは何に取り組んでいるんですか?

高1の時はペアで児童虐待について、特にオレンジリボン運動のことについて調べました。単に調べるだけでなくて、ポスターコンテストに応募したり、実際に集まる報告会は開催されなかったので、Youtubeで配信されたオレンジリボン運動についての報告会を視聴したりしました。
高2では少し内容が変わって、児童から大人に視点を移して「ハラスメント」について考えています。夏休み中に電話で企業さんからハラスメントについての取り組みを調査しようと考えていて、今、アポ取りなどの準備をしています。
それを受けて今後、どんなハラスメント対策ができるか、ということを研究していきたいと考えています。ペアになっている子がとてもしっかりしているので、心強いです。

-すごいですね。ここまでアクションが起こせるようになっているのは大きな成長だと思いますよ。
-1学期には「生徒による学校見学会」にも協力してくれましたよね。これも自発的なものかと思うのですが、理由を聞かせてもらえますか?

はい。自分が今までやってきた活動は与えられてきたものばかりだったので、自分からも何かしていきたいな、やっていこうかな、と思うようになりました。あとは、クラブ活動でギター部と放送部を兼部しているんですけど、ギター部で新しくコンクールに出たり、放送部で曲だけではなくて新しくメッセージを流すことになったりと、新しいことにチャレンジするようになったことが影響しているのかもしれません。
私は人と関わるのが好きなので、説明も上手にできるかなと思っていたんですけど、当日は緊張してしまってただ説明するだけになってしまいました。楽しんでもらえなかったな、和洋では校長先生の授業も受けられますとか、もっと色々なことを話せたなと反省していて、次回もう一度チャレンジしてみたいと思っています。

-チャレンジ精神、すばらしいですね。これからもどんどん新しいことにチャレンジしていってくださいね。
-では、後輩に向けてメッセージをお願いします。

和洋は先生との距離が近い分何でも聞けるし、自主活動などでも生徒に色々とチャンスをもらえるので、そういう時にチャンスを逃さずに挑戦して成長していってほしいです。

-「どうしようかな、やってみようかな」と思った時に一歩を踏み出す勇気が大事ですよね。Kさんが一歩を踏み出せるようになったのはなぜでしょうか?

中2のグローバル遠足もそうですけど、外に出かけていったり色々なことを体験したりする中でだんだんと慣れていって、怖じ気づかずに進んでいけるようになったのかなと思います。

-なるほど。経験を重ねて勇気を得ている感じでしょうか。
-では最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします!

私は小学校の時はのびのび過ごせなかった部分があるんですけど、和洋では本当に自分が自分らしくいられるというか、クラスメイトの趣味を変に差別したりすることがなくて、全員が過ごしやすい雰囲気です。あとはやっぱり色々な活動ができるので、入ったら楽しいことがたくさんあると思います。

-和洋の雰囲気、本当にその通りだと思います。色々なタイプの生徒たちがいるんですけど、それぞれをそのままに認め合っているのが和洋の風土ですよね。この空気感は言葉でなかなか説明できないものだと思います。
-Kさんが和洋での生活で大きく成長していることがとてもよく伝わってきました。ありがとうございました!

【X先生からのKさんについてのコメント】
Kさんは、発想力と着眼点が常に素晴らしいと思っています。特にPBLでのトリガークエスチョンの捉え方、受け取り方が彼女特有で、プレゼンテーションではいつも驚かされます。また、学年が上がるごとに磨きがかかり、今後が楽しみです。ぜひとも学校以外での取り組みをさらに増やし、経験を積んでいくともっと面白い発想が湧いてくると思います。期待しています。

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